<長野北部地震>善光寺の灯篭も倒壊 家屋被害など相次ぐ
11月22日午後10時8分に起きた長野県北部の震度6弱の地震で、23日昼までに同県白馬村、長野市などで約40人が負傷、土砂崩れや家屋の倒壊などの被害が出ていることが分かりました。今後の自治体などの調査で山間部の土砂崩れや道路の寸断などの被害拡大が心配されています。 白馬村では数軒の民家が倒壊し、負傷者も出ているほか、ほかの市町村の各所で土砂崩れによる通行止めがあり、住宅の塀の倒壊なども報じられています。 長野市の善光寺では、境内や周辺の灯篭、石作りの柵などが倒壊したり崩れるなどし、危険防止の安全柵をめぐらした現場を参拝客らが遠巻きに見守っていました。
ビルが「ググッ」と横揺れ
長野市中心部の善光寺表参道沿いにある13階建てマンションの4階では、地震発生と同時にビルが「ググッ」という音とともに大きく横揺れし、エレベーターは緊急停止しました。 居住者は立っていられないため、身をかがめて落下物などに備える態勢を取りました。本棚や家具は倒れませんでしたが、キッチンに立てかけたまな板や砥石が倒れたり、小物入れのコーナーの扉が揺れで開いたりしました。 また、キッチンの上にしつらえてある戸棚の扉が自動的にロックされ、扉が開かなくなりました。これは収納してある食器などが外に飛び出さないように地震に感応して自動的に扉を固定する装置で、今回の地震でしっかり作動したことが分かりました。このままでは地震後に扉が開かないため外からこぶしで強く「ドン」と扉をたたくことによってロックを解除、開くことができました。
東日本大震災の翌日にも大地震
長野県北部では地震災害が続いています。長野市北部の新潟県境にある栄村などでは東日本大震災の翌日の2011年3月12日に起きた長野県北部地震で大きな被害を受けたばかり。歴史的には1847(弘化4)年5月の「善光寺地震」で現在の長野市地域に大きな被害が出ています。 (ライター/高越良一)