孫に贈ったくまのぬいぐるみ…自分用のも買う老婆の話に 「こんなおばあちゃんになりたい」「ずっと一緒にいて欲しい」の声【作者インタビュー】
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、WEBサイト「花椿 HANATSUBAKI」にて連載していた『もぐの夜』(パイインターナショナル、コルク刊)の1エピソード『ふわふわのくまさんが今日到着予定です』を紹介する。作者のこやまこいこさんが、9月26日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、こやまこいこさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。 【漫画】身の回りの整理を始めたおばあさんが、くまのぬいぐるみと出会う話 に「ぬいぐるみはいくつになったって必要」の声 ■くまのぬいぐるみを孫に贈ったおばあさん 「孫にね、プレゼントしたんです」と語り始めるおばあさん。恐る恐る持ち始めたスマートフォンを使って、くまのぬいぐるみを買い、孫にプレゼントしたという。 届いたくまのぬいぐるみは、丁寧に誠実につくられており、優しい手ざわり。ぬいぐるみを喜んでくれた孫を見て、「ああ うれしい」とおばあさんも喜びを噛み締めている。 そんな孫の様子に、「私用のくまさんを買ってみようと思ったんです」と思い立ったおばあさん。スマートフォンとにらめっこしながら、自分用のくまのぬいぐるみを探してみることにした。 体調もよくなったり悪くなったり、薬も増えていく中で身の回りの整理をしていたおばあさん。生活に本当に必要なものはそんなに多くはないため、身軽になって老後を過ごしたい。好きなものだけ部屋に置くようにしたら、掃除も楽。思い出も少しだけで自分には十分だと思っていた。 しかし、とあるくまのぬいぐるみと出会ってしまい…。 この優しいぬいぐるみの漫画を読んだ人たちからは、「こんなおばあちゃんになりたい」「ずっと一緒にいて欲しい」「ぬいぐるみはいくつになったって必要」など、多くのコメントが寄せられている。 ■小さい頃の思い出を紐解きながら描いた優しい世界 ――『ふわふわのくまさんが今日到着予定です』を創作したきっかけや理由があればお教えください。 もぐの作ったぬいぐるみが誰かに届いている回もあると楽しいなと思いました。私が小さい頃、知り合いのおばあさんのおうちに遊びに行ったときに、こっそり手招きされてついていくと、そこはおばあさんの寝室で。なんだろうと思っているとベッドの下から小さなベッドをすっと出してきたんです。小さなベッドにはかわいいぬいぐるみたちが寝ていて嬉しそうに私に見せてくれました。大人でもぬいぐるみをこんなに大切にしているんだと、好きに過ごしていいんだと思った出来事があって。その時のことを思い出しながら描きました。 ――本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。 読んでいる誰かが、好きなものと一緒に生きていけますようにと思いながら描きました。 ――Wi-Fiについて「何が飛んでるのよ」というセリフが個人的にお気に入りです。こやまさんが特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。 このセリフは私も気に入っています。Wi-Fiについては、常々私も思っていることです。Wi-Fiが飛んでるってほんとにどういうことなんでしょうね。なぜ映像や言葉が空間を飛んでくるんでしょうか…。 ――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか? 実体験や人から聞いた話しなどいろんなことが混ざり合ってお話ができていきます。 ――こやまさんの作品は、優しい色合いと温かいタッチの絵が特徴であるように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか? ありがとうございます。色は作業の中でもあまり考えずにできる好きな時間です。難しくは考えずに、きれいな色を合わせながら塗っています。コピックで塗っていたときは、コピックの色自体がどれもきれいで。今はクリスタを使っていますが、そこに入っている色を少し変えながら使っています。コピックとクリスタに助けられています。 ――今後の展望や目標をお教えください。 日々の暮らしの中で気づいたことを漫画にしていきたいです。本当は大冒険や推理ものが描きたいのですが、無理だなと思います。 ――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします! いつも読んでくださりありがとうございます。SNSでは投稿のみで交流は全くできていませんが、感想など拝見しています。のんびり描いていきますので、これからもよろしくお願いいたします。