ロッテ・益田直也、8月以降は抜群の安定感…今季も勝ち試合の最後を締めくくる!
ロッテの守護神・益田直也は今季、開幕直後に二軍落ちがあったが、終わってみれば44試合に登板して、1勝4敗25セーブ6ホールド、防御率2.59と、3年ぶりに2点台の防御率でシーズンを終えた。 今季は初登板となった3月30日の日本ハム戦、3-0の9回に登板し今季初セーブをマークしたが、翌31日の日本ハム戦、2-1の9回に登板も一死一塁から田宮裕涼の右中間の打球をセンター・和田康士朗、ライト・山口航輝が交錯しその間に一塁走者・代走・五十幡亮汰の生還を許し、打った田宮にも三塁に進められてしまう(記録は三塁打)。続く水野達稀にライト前に勝ち越しの適時打を許し、昨季は1度しかなかったセーブ失敗も今季登板2試合目で初のセーブ失敗。 続く4月3日のソフトバンク戦も、2-1の9回二死満塁から栗原陵矢に押し出し四球で同点に追いつかれてしまう。翌4日日一軍登録を抹消。小野コーチ(来季からプロスカウト)は益田抹消直後の4月6日の取材で「練習で状態が上がってくるように。まだ抹消してそんなに日が立っていないので、体をしっかり戻してからピッチングしていい状態に戻っていけるようにやっている最中です」と明かした。 益田は一軍練習に参加しながら、ファームでも2試合に登板して、4月20日に再昇格。再昇格後初のセーブシチュエーションでの登板となった4月30日のオリックス戦、1-0と緊迫した場面でのマウンドもしっかりと無失点に抑え今季2セーブ目。 5月1日のオリックス戦、4日の楽天戦でも無失点でセーブを挙げた。チームは4月19日の日本ハム戦から27日の楽天戦にかけて7連敗というのがあったが、益田が再昇格後初セーブを挙げた4月30日のオリックス戦に1-0で勝利してから、5月7日の西武戦にかけて6勝1敗とチームとしても落ち着き、投手陣全体が上がってきたように見えた。 小野コーチも5月6日の取材で「やっぱり締める人が締めてくれるとチームも乗ってくる。安心感、安定感も出てくると思うので、益田の存在は大きいですし、益田の状態が上がっているのも確か」と益田の存在の大きさを口にした。 5月12日の日本ハム戦で3失点で敗戦投手も、5月19日の日本ハム戦から5月30日のヤクルト戦にかけて6試合連続無失点。ブルペンデーとなった5月26日のソフトバンク戦は、2-1の8回二死満塁の場面で国吉佑樹の後を受けてマウンドへ。「繋いでもらっていたので、ちゃんと抑えて勝てるようにと思って投げていました」。8回に国吉から1点を奪いなお満塁とソフトバンクに流れが傾きかけた場面となったが、益田は川村友斗をストレートで3球三振。その裏打線が5点を奪い、7-1となった9回もマウンドに上がり、三者凡退で試合を締めた。「たくさん点を取って貰ったのでここは抑えないと、と。早く帰りたいと思ったので、何とか3人で抑えられて良かったです」と振り返った。 6月26日の楽天戦、4-1の9回に登板し先頭の浅村栄斗を右飛、続く鈴木大地を左飛、渡邊佳明を空振り三振に打ち取り、球団新記録となる通算228セーブを達成。7月15日のソフトバンク戦では、8-3の9回に登板した坂本光士郎が3連打で失点し、8-4の9回無死一、三塁で登板。川村の二ゴロの間に三塁走者の生還を許すも、後続を抑え、相手に傾きかけた流れを断ち切り勝利した。 8月以降は9度のセーブ機会で全て成功するなど、15試合・14回2/3を投げ、0勝1敗2ホールド9セーブ、防御率0.61。セーブ機会での登板で安打を許した試合もわずかに2試合で、三者凡退で片づけた試合は7試合と抜群の安定感だ。9月28日の西武戦から9月30日の楽天戦にかけて今季初の3連投もほぼ完璧の投球内容で抑え込んだ。 オールスター明け、チームは6回終了時点でリードした試合は23勝0敗と1度も負けなかったが、リードした試合をしっかりと締めた益田の存在は大きい。 19年から6年連続20セーブ以上をマークし、22年には途中加入したオスナに守護神を奪われたが、翌23年はセーブ機会での失敗が1度、36セーブを挙げれば、今季も開幕直後に二軍落ちも8月以降は安定した投球を見せた。長い間マリーンズの勝ち試合の9回を託されている益田の凄さについて、将来は抑え候補として期待される横山陸人は「投げるプレッシャーだったり、チームの勝ち負けがかかってくるポジションを何年も務め、200セーブ以上あげている。すごいメンタル、異常だなと思うくらいの感じです」と語った。 ロッテはチームビジョンとして、常勝軍団になることを目標に掲げている。勝ち試合の最後に益田が締めて、来季リーグ優勝を達成したい。 取材・文=岩下雄太
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