【専門家が解説】不機嫌な態度をとる<フキハラ>相手への対処法|STORY
不機嫌ハラスメント「フキハラ」は伝染する! 専門家の方に伺いました。
「フキハラ」って?
“不機嫌ハラスメント”の略。不機嫌な態度で相手を不快にさせたり、過剰に気を使わせたりして、精神的苦痛を与えること。本人が意図する、意図しないにかかわらず起こるのが怖い……。
早めに手を打たないとパンデミックに
■教えてくれたのは…慶應義塾大学理工学部・ 医学部精神神経科学教室兼担教授 満倉靖恵先生 “不機嫌ハラスメント”の提唱者。脳神経メカニズム・感情・睡眠・うつ病・認知症などを研究。著書に『「フキハラ」の正体 なぜ、あの人の不機嫌に振り回されるのか?』。 「不機嫌な人がいると、なんだか自分まで気分が悪くなる。場の空気が悪くなる」。 そんなふうにこれまで肌で感じていた現象を、約20年の年月をかけて、最近、科学的に証明することができました。心の状態は脳波にあらわれます。そして、身近な人の脳波から発せられる信号によって、私たちはそれを感じ取っているのです。 また、脳波研究が導き出したのは、脳は“ストレス”や“嫌い”というネガティブな感情に敏感であること。さらには、近くにいる人と脳波のパターンがだんだん似てくることもわかってきました。つまり、不機嫌な人の傍らにいると自身にまで不機嫌が伝染するのです。だから、一人の不機嫌が、家族や会社組織へと伝染し、ついにはパンデミックが起こるのです。
世界初リアルタイムで感情を計測できる装置「感性アナライザ」。
2人の学生のストレス度が同調する脳波実験データのグラフ。 出典:『「フキハラ」の正体 なぜ、あの人の不機嫌に振り回されるのか?』
どう対処したらいい?
① 10分クールダウンの法則 脳は集中することが苦手で、集中力をそれなりに維持できるのは10分程度であるという実験結果があります。10分以上怒り続けることはエネルギーも消費し、しんどいはず。脳科学的に10分間そっとしておけば、人はクールダウンされます。10分待てば人は変わる、イライラや怒りは収まると思って時間稼ぎをしましょう。