「東京都知事選」候補者 政策ごとのスタンスは <原発政策への対応>
2月9日に投開票を控えた東京都知事選。これまでの選挙戦では、2020年東京五輪への対応や、待ったなしの少子高齢化対策、老朽化が進むインフラ防災対策、原発政策へのスタンスなど、さまざまな論点が議論されています。ここでは、宇都宮健児氏、田母神俊雄氏、舛添要一氏、細川護熙氏(届け出順)の4候補者が、それぞれの政策についてどんな考え方を持っているのか、1日に行われた「ネット討論会」(ネット事業7社共同企画)での発言を基に紹介します。今回は「原発政策へのスタンス」です。 【動画】で見る政策比較「五輪」「原発」「社会保障」「防災」
■宇都宮健児氏
原発はコストが安いといわれるが、事故が起こった被害の損害賠償まで入れなければおかしい。いま福島の人たちは原状回復がなされていない。廃炉にするには莫大な費用がかかるし、使用済み核燃料から出てくる高レベル廃棄物のコストも高い。地震大国、津波大国の日本では、原発はふさわしいエネルギーではない。再稼動は止めるべきだ。 東電は解体すべき。重要なのは発送電の分離。送電線を公有化して、自然再生エネルギーで使えるような枠組みをつくるべきだ。脱被ばくを重視する必要がある。東京でも放射線量が高いところがある。
■田母神俊雄氏
原発は安全管理を徹底しながら使っていくべきだ。原発が使えないことで現在4兆円の火力発電用の油代を外国に払っている。これで電気料金が15%も値上がりして中小企業の経営が苦しい。原発を止めたままで日本の経営が成り立つのか。原発を使えばエネルギーが十分供給できてGDPを継続的に伸ばしていくことが可能だと思う。 原発が危ないというのは非常に非科学的な議論。核のゴミで日本がいっぱいになるというのも嘘だと思っている。「原発をなくす」というと、安全を管理するべき世界一である日本の原発技術が外国に抜かれる。
■舛添要一氏
東日本大震災、とりわけ福島第一原発の大事故。あの惨状を見ると、長期的には原発から依存する体制を脱却しないといけない。具体的には30~40年という感覚だろうが、シェールガス革命や、油を生み出す藻など、こういうことでエネルギー事情が変われば、早く原発依存から脱却する体制を作れる。忘れてならないのは東京は日本一の電力消費地であること。 今は全体のエネルギーのうち6%しか再生可能エネルギーをつくっていない。これを20%まで上げたい。晴海の五輪選手村では都民がつくった自然エネルギーを使っていきたい。
■細川護熙氏
原発は都知事選の争点ではないという声もあるが違うと思う。原発事故の後、東京のかなりの範囲で電気が止まった。まさに都政の問題だ。いったん大事故が起こったら壊滅的な事態になる。原発は命の問題だから、最優先で考えなければならない。 原発が、非常に高くコストのつくエネルギーだということは世界の常識。汚染水の垂れ流しも続いている。核のゴミもどうするのか。東京都は東電の株主でもある。原発「即ゼロ」を宣言して、これからの成長産業である自然エネルギーに切り替えていけば日本は飛躍的に発展していける。