年末から春にかけ火災が増加…年末の大掃除は「コンセント」周りもチェック!
気温が下がり、空気が乾燥するこれからの季節、毎年多くなる傾向なのが火災です。年の瀬の大掃除。家の中でほったらかしになりがちなあの場所に、注意が必要です!
けさ、道後温泉本館で行われたのは年末の恒例行事「すす払い」。参加者が手にしているのは長さおよそ6メートルの笹ぼうきです。 入浴客に気持ちよく新年を迎えてもらおうと行う恒例行事でしたが、ことし7月まで保存修理工事が行われていたため、4年ぶりの実施です。 参加者: 「厄を落とすというので気持ちのいい新年を迎えられるように」 館内では、ハタキや雑巾を使って普段手の届かない部分の汚れを落としていました。 その大掃除の前に行われたのは… 自動音声アナウンス: 「火事です。火事です。2階で火災が発生しました」 防火訓練です。午前8時半に2階の従業員休憩室から出火したという想定で行われました。訓練にはスタッフや消防隊などおよそ70人が参加し、初期消火や避難誘導の手順を確認しました。
こちらは3日前、松山市中村で木造2階建てのアパートが全焼した火事の映像です。炎が屋根の上まで燃え上がり、大量の煙が発生しています。焼け跡からは1人の遺体が見つかりました。 松山市消防局によりますと、今年10月末までに発生した建物火災は62件と去年の同じ時期と比べて5件増加していて、県内では毎年年末から春先にかけて火災が増加する傾向です。
ほこり・プラグの変形・たこ足配線も発火原因に
3日前の火事の原因は調査中ですが、火事を防ぐために年末の大掃除でぜひチェックしてほしい場所のひとつが… 製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全センター岡田大樹さん: 「見落としがちだと思われるのが コンセント周り。一度接続してしまうと普段皆さん意識することが少なくて、日頃のお掃除だと手が届いていない場所かなと思います」
製品事故の防止などを呼びかける独立行政法人NITEが公開する実験動画です。プラグを差し込んだコンセントから音を立てて白い煙が発生すると…コンセントからオレンジ色の炎が勢いよく吹き出しました。 原因は、このようにコンセントに差し込んだプラグの周りに溜まったほこりです。 岡田さん: 「ほこりと水分によって、トラッキング現象という現象が起きまして、本来であれば電源プラグの刃と刃の間というのがつながらないように、電気が流れないように絶縁されているんですけれども、ほこりと水分が付着することによって、本来であれば流れない場所に微小な電気が流れてしまって、ショートしてしまって発火してしまうという現象ですね」 テレビの裏や戸棚の裏など、普段あまり見えない場所が危険です。
ほこりの他にも変形した電源プラグや、1つのテーブルタップなどにいくつも電源コードをつなぐ“たこ足配線”は、どちらも接触不良や消費電力の超過などによる「異常発熱」が起きて発火する場合があります。 火事の原因には他にも様々なものがありますが、NITEの岡田さんは「ぜひ年末の大掃除の機会にコンセントとプラグの間にほこりが溜まっていないか、電源プラグの状態や使い方が雑になっていないかを確認して配線器具による事故を防止してほしい」と呼びかけています。