“マルジェラ期”の再解釈で「MM6」に感涙、潔い「マックスマーラ」に拍手も、終盤まさかの大失態 2025年春夏ミラノコレ日記Vol.3
バックステージで、荻野いづみクリエイティブ・ディレクターにご挨拶。すると、今回タッグを組んだアーティストの田島美加さんに盛大な拍手を送っていらっしゃいました。荻野さんに「アパレルをデザインするときに、これからリーチする若年層を意識していますか?」と聞くと、「ワイヤーバッグをたくさんの若い人たちが気に入ってくれたのはとっても喜ばしいことだけど、コレクションではその方達に向けてというよりも、みんなが自由に、好きなように着こなしてほしいの」とコメント。そして今回のコレクションが実現できたのはとにかく田島さんの功績が大きいと。ライフワークとして芸術家のサポートに取り組む荻野さんのお人柄が見えました。「私はファッションとアートをつなぐフレームになりたいの」と話していました。
村上:得意のニットを、まるでオーガンジーのようにレイヤードに欠かせない素材として活用していましたね。ピュアホワイトからパープルまで、さまざまな色のハイゲージニットやオーガンジーのアイテムがあったけれど、きっと自由に組み合わせてもスタイルはもちろん、色まで素敵なんだと思います。その色合わせの妙を担ったのが、田島さんなのかな?今シーズン一番のミラノのトレンドを、ブランドらしく表現した好例でした。
お次の「プラダ(PRADA)」については、木村さんのレビューを読んでもらえればですが、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)の気合いというか、自信を非常に感じるコレクションでした。まず、メンズのセットを改修ではなく、根本的に作り変えたことからは気合いが伺えるし、いつも以上に個性的なモデルからも「いつもとは違うんだよー」という強いメッセージを発信していましたね。
とはいえ、よくよく考えれば「プラダ」ならではのベーシックを今っぽく見せるというスタンスは何も変わってなくて、ブレない強さも感じました。このスタイルが流行るか?は未知数だけれど、考え方は広がっていきそうです。