ランドセルを「キーケース」や「財布」に“リメイク” かばん職人の思い
日テレNEWS
卒業後のランドセルをキーケースや財布にリメイクしている、香川・東かがわ市のかばん職人・山口洋平さん。どんどんと口コミが広がり依頼が増加しているといいます。持続可能な社会に向けた取り組みの一つとしていま、再び注目されています。 ◇ 小さなランドセルに、キーケースや財布。これはランドセルが生まれ変わった姿なんです。 この取り組みを始めたのは、東かがわ市「アトリエリップル」のかばん職人・山口洋平さんです。 手袋の国内一大産地、東かがわ市で伝承されてきた縫製技術を多くの人に知ってもらいたいと始めました。 最初はお試しでしたが、どんどんと口コミが広がり依頼が増加。正式に注文を受け付ける事にしました。 人気の秘密は、丁寧な手仕事です。 アトリエリップル 山口洋平さん 「この子のは、しっかりしすぎてすごく硬いんですよ」 ランドセルは6年間の使い方によって個性が出るといいます。 それでも材質にあわせて、的確に作業が出来るのは確かな技術があるからです。 アトリエリップル 山口洋平さん 「僕は(子供が)3人いて、末っ子が入学してようやく全員小学生になって、親として一区切りという感じがする。ランドセルに対してどういう思い出を持っていたとか、その言葉になるべく応えてあげるように、そこが一番力を入れているところです」 注文時に書いてもらうヒアリングシートには、びっしりと思いを綴っているものもあります。 ヒアリングシート 「茶色とチェリーピンクの色合いは残しておいてほしいです」 イラスト付きで「この模様も好き」とも書かれていました。 山口さんは思いに応え、デザインはピンクと茶色を基調に。ランドセルの内側についていたワンポイントは、財布の目立つところに置きました。 この注文書を書いた小川紗季さんは今、中学2年生になりました。 出来上がった商品を今回、特別に届けました。 ランドセルはカバーをつけて大事に使っていたそうです。 ――こちらです。どうぞ 小川紗季さん 「え、すご! ありがとうございます。わー!! この部分とか残してもらいたかったところだから、すごくランドセル感があります」 リメイクを提案したのはお母さん。 小川紗季さんの母親 「長女なので初めて小学校に上がる時で思い入れも。6年間使ったランドセルがこんな風になる、実際に見るとうれしいです」 「思い出の品のリメイクは、顔が見える職人に依頼したい」と山口さんにお願いしたそうです。 アトリエリップル 山口洋平さん 「香川県には素敵な技術を持った大人がたくさんいますし、素敵な産業たくさんあるので、地元の産業に興味を持ってもらったり、何か作りたいなと思ったら、ぜひ東かがわ市に来てもらって、声をかけてもらいたいなと思います」 東かがわ市の職人から、山口さんが教わった言葉があります。それは「一つ一つに向き合い寄り添っていく事」。 生まれ変わった思い出のランドセル。 持続可能な社会に向けた取り組みの一つとしていま、再び注目されています。