5億円の豪邸にプライベートビーチ…”皇帝”ベッケンバウアー の「260億円遺産」はどうなるの?
サッカーファンでなくとも「皇帝」と聞けばその名が浮かぶ、フランツ・ベッケンバウアーが去る1月7日、78歳でこの世を去った。 【画像】すごい…”皇帝”ベッケンバウアーが別荘を持っていた「豪華スキーリゾート」…! ’74年のW杯西ドイツ大会はプレイヤーとして、’90年のW杯イタリア大会は監督として旧西ドイツ代表を優勝に導き、バイエルン・ミュンヘンでもリーグ優勝、欧州チャンピオンズカップ優勝に貢献。追悼式にショルツ首相が出席するほどの、ドイツサッカー界を代表するレジェンドの訃報に接して、ドイツ中が大注目したのがサッカー……とは「別件」の、遺産相続の話題だった。 ベッケンバウアーは選手時代に8000万ユーロ相当――約130億円を稼いだといわれているが、引退後もサッカー関連のビジネス、CM出演、歌のリリースなどで莫大な収入があった。’70年代には、所得隠しの疑いで税務署の家宅捜索を受けたほどだ。ベッケンバウアーがその生涯で積み上げた「皇帝の遺産」は、なんと260億円にものぼると見られている。 ベッケンバウアーは故郷のミュンヘンではなく、隣国オーストリアのザルツブルクに5億円の自宅を構え、チロル州のスキーリゾート、キッツビュールの商業ビル兼別荘を12億円かけて購入。ザンクトギルゲンの風光明媚な湖・ヴォルフガングゼーのプライベートビーチとボートも1億2000万円で購入している。 これら不動産に関する権利は妻で「フランツ・ベッケンバウアー財団」の理事も務めていたハイジに託されたと言われているが、ハイジ以外に相続の権利がある家族が多数いる。 W杯招致をめぐる汚職疑惑など、ピッチ外のベッケンバウアーにはスキャンダルがつきまとったが、女性問題もそのひとつ。彼には3度の結婚歴があるが、最初の子は独身時代に生まれたという。最初の妻・ブリギッテが育てた長男・トーマスは皇帝の投資アドバイザーとして資産運用を担当した。そのブリギッテとの間には次男・ミヒャエルと三男・シュテファンが生まれた。さらに第2の妻・シビルとの結婚期間中に、最後の妻ハイジとの間に子供ができた。四男・ヨエルと長女・フランチェスカである。つまり、実子が5人いるのだ。 艶福家だったベッケンバウアーにとってショックだったのが、’15年の脳腫瘍によるシュテファンの死だった。息子たちの中で唯一、父と同じプロサッカー選手の道を辿った特別な存在で、ベッケンバウアーはこの頃から公の場に姿を現すことが減った。その後自身の健康状態も悪化。心臓のバイパス手術、認知症を伴うパーキンソン病に苦しんだ。それでも、最後は家族に見守られながら息を引き取ったという。 「自分の死後、家族に不和が生まれることを望んでいない」 残り時間が少ないことに気づいたベッケンバウアーは、’23年2月にザルツブルクの豪邸で遺言書を作成したと言われている。だが、その中身はいまだ明らかになっていない――。 『FRIDAY』2024年3月15日号より 取材・文:了戒美子
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