実家のお墓が遠方にあるため、なかなかお墓参りに行けません。お墓を放置するのは心苦しい……「墓じまい」をした方がいい？　墓じまいや改葬など、お墓にまつわる疑問について専門家がお答えします。 【画像】【専門家が回答】お墓が遠くてお参りに行けません。「墓じまい」した方がいい？

お墓が遠くてお参りに行けません。「墓じまい」した方がいいのかな？

サンキュ！

私も夫も実家のお墓が遠方にあるため、お墓参りに全然行けません。お墓を放置したままなのは心苦しくて「もう墓じまいしてもいいのでは？」と考えています。その場合、親たちを説得して話を進めるべきか、それとも自分の代まで待つべきか……。悩んでいます。 相談者　S・Yさん（愛知県　31歳） ●墓じまいって？　 お墓を解体・撤去して更地に戻し、お寺など墓地の管理者に使用権を返すことを意味する造語。先祖伝来のお墓を維持・管理するのが難しくなってきた人が増え、ここ数年で話題に。

自分たちだけでお墓のことを決めるのは、トラブルの元ですよ

自分はお墓参りに行けなくても、定期的に通っている親戚がいるかもしれません。それに長年お付き合いしているお寺との関係もあります。後々もめないためにも、今後お墓をどうするか、周りの人とも相談しましょう。

お墓を近くに移す方法もありますが、行政の手続きなどが必要になります

Sさんやご主人がお墓を継ぐ立場でお墓参りに行けないのが気がかりなら、お墓を近くに移す「改葬」という方法もありますよ。ただし、新しい納骨先を探して遺骨を移すための書類を役所でそろえ、遺骨を取り出して納骨先に納めるなど、それなりの時間と手間、費用もかかります。 ●改葬って？　 お墓から遺骨を取り出して別の場所に移すことを意味する法律用語。新しい納骨先を探して、必要書類を役所に提出したのち、石材店に依頼して遺骨を取り出し、墓石を撤去。次の納骨先に遺骨を納める。

今は忙しくて、それは無理かも～！

お墓のメンテナンスを業者に依頼する方法も。検討してみては？　 昔は「お墓参りは自分たちでするもの」という根強い風潮がありました。でも今は高齢化やコロナ禍の影響で、通いたくても通えない人が増え、お墓参りやお墓掃除の代行サービスに頼るのが不自然ではなくなっています。忙しいうちは、こうしたサービスを上手に活用してみてもいいかもしれませんね。 ＜教えてくれた人＞ 葬送・終活ソーシャルワーカー　All　About「葬儀・葬式・お墓」ガイド　吉川美津子さん 社会福祉士、介護福祉士。大手葬儀社や仏壇・墓石販売店で働いた経験を生かし、葬送や終活のコンサルタントとして現場や各メディアで活躍中。著書に『お墓の疑問？　解決事典』（つちや書店）など。 参照：『サンキュ！』2024年10月号「どうしよう！実家と親のモンダイ」より。掲載している情報は2024年8月現在のものです。 編集/サンキュ！編集部