上半期出生数は過去最少の35万人―人口動態統計 : 90年代から脈々と続く少子化対策は効果がないのか? やらないよりはマシだったのか?
1990年の “1.57ショック” を契機に政府は手を替え品を替え、少子化対策に取り組んできた。それから30年以上経過しても右肩下がりのトレンドが続く。2024年は70万人割れの可能性も。
厚生労働省が発表した人口動態統計(速報値)によると、2024年1~6月に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、前年同期比5.7%(2万978人)減の35万74人だった。40万人を下回るのは3年連続で、上半期としての過去最低を更新した。先行指標である婚姻数は0.9%増の24万8513組と微増に転じたものの、2024年下半期の出生数が劇的に改善しなければ、通年でも過去最少を更新し、初めて70万人を割り込む可能性もある。 一方、死亡数は1.8%増の81万1819人。死亡数から出生数を引いた自然減は46万1745人で人口減に歯止めがかかっていない。
通年の出生数は2022年に初めて80万人を割り、23年はさらに4万3482人少ない72万7277人となり、8年連続で過去最少を更新。 速報は、国内在住の外国人や海外にいる日本人が含まれる。今後公表される確定数は、日本に住む日本人だけが対象で、速報より少なくなる傾向がある。
政府は昨年、24年度からの3年間で少子化対策に集中的に取り組む「加速化プラン」を策定。24年度からの3年間で年3兆6000億円規模の予算を確保し、児童手当は24年10月分から所得制限を撤廃し、高校生まで支給対象を延長するなど、子育てしやすい環境を整備する。