【全料理男子に告ぐ】実は重要、盛り付け次第で味も変わる
前菜盛り合わせ3つの流儀
盛り付けを制するものは料理を制す! と言っても過言ではないでしょう。自宅で料理を作って振る舞う時、仮に美味しかったとしても、盛り付けが下手だと、ゲストの気分は下降してしまう! ここでは、前菜が美味しいと評判のレストラン3軒に盛り合わせのコツを教えてもらいました。
大皿に彩りと立体感を加えて、卓上を華やかに飾る
家酒場を盛り上げる最初の一皿の前菜は、盛りつけも重要な要素。さまざまな料理が一つの皿に美しく盛られていると、それだけで掴みはOKだ。 フレンチビストロ『メゾンサンカントサンク』では、大皿に盛りつけられた前菜が名物となっている。「盛り合わせというのは、日本独特の文化です。フランスなどでは、色々な料理が一皿にのっているのを嫌う傾向にあるみたいです。でも、私たち日本人は、色々な料理を少しずついただきたいという思いがありますよね」そう話すのはシェフの八巻氏。 この前菜は、10種類もの料理を大皿に盛りつけた見た目にも美しい芸術的な一皿。この日のメニューは、キッシュ、サバとキヌアのサラダ、ブロッコリーの香草パン粉、ポワローのヴィネグレット、ニンジンとオレンジのラぺ、クリームチーズとネギのディップ、ラタトュユ、根セロリと林檎のレムラード、鴨のリエット、そして白レバーのペースト。それぞれ小皿料理でも提供しているが、訪れたほぼすべての客が盛り合わせを注文するという。 さまざまな食材を彩り豊かに並べた盛り合わせは、皿の中心を軸として円心状に盛りつけていく。汁ものは小皿に入れて、味が混ざらないように盛りつけるのもポイント。そして、全体を華やかに見せるのは色合い。多くの食材を取り入れることで必然的に色味が足され、皿を彩ってくれる。また、立体感もキーワード。料理を平らに並べてしまうと漫然とした印象を与えるが、高さを出すように盛りつけることで立体感が生まれる。 見て楽しい、食べて美味しい前菜は、家酒場の強い味方。プロの盛り付け技術を盗んで、いつもの前菜をワンランクアップさせたい。 <前菜×大皿の流儀> テーブルがパッと華やぐ、存在感ある大皿。小さな料理を何品も盛りつけてゲストをおもてなし! 最初の料理である前菜は、見た目の華やかさも重要なポイント。ニンジンのオレンジやブロッコリーの緑など、素材を種類豊富に使えば、それだけで色味もプラスされる。仕上げにチーズやクルミなどのナッツを散らすことでさらに華やかさは増す。赤、黄色、緑、青、紫の基本五色を意識して素材を選ぼう。 「ハーブにも色々な形があり、それぞれに生命力のある動きを持っているので最後に全体のバランスを見ながら散らすと調和が生まれます」と八巻氏。料理に自然な動きが出る他、彩りもプラスされ、一石二鳥だ。 盛りつける際には、ただ並べるだけでなく、高さをつけることを意識して。高さを出すものから盛りつけると全体のバランスが取りやすい。いくつか同じ料理を並べる場合は、高低差をつけることで皿にメリハリがでる。