社会人5年目です。同僚が「毎月5万円」貯めていることを知りました。このくらい貯めるのって普通なのでしょうか?
就職した企業や業種などにより多少の差はあるものの、社会人5年目くらいであれば、同年代の人と比べて収入には極端に大きな開きはないでしょう。同じ職場に勤めていれば、なおさらその差は小さいものとなります。 しかし、預貯金を含めた貯蓄の状況も同じとはかぎりません。同僚の多めの預貯金額などを聞き、焦りが生じたり意識を変えたりするのは、ごくごく普通です。本記事では、20代の平均預貯金額を中心に紹介します。
20代の貯蓄事情
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(東京都江東区)では、「20代の金銭感覚についての意識調査 2024」(調査期間:2023年12月13日~15日、調査対象:全国の 20~29歳の男女1000名)を実施し、その結果を公表しています。同調査結果から、20代の貯蓄事情についてみていきましょう。 同調査結果によると、20代で預貯金をしている人の割合は全体の59.9%となっています。預貯金をしている人の、ひと月あたりの平均預貯金額は約3万7000円でした。 毎月5万円を貯めている同僚は、平均と比べると多いといえるでしょう。ただ、1万数千円程度の差であるため、金額のみでみれば普通といえる範囲にとどまっています。 【20代の平均貯蓄額】 同調査結果によると、20代の平均貯蓄額は56万円となっています。20代前半では33万円、20代後半では91万円と差がある点には要注目です。 また、会社員に限ってみると平均貯蓄額は106万円となっているため、大卒の社会人5年目であれば100万円ほどの貯蓄額が一般的な水準となるでしょう。仮に毎月、平均預貯金額の3万7000円を貯金したとすると、2年間で90万円近くになる計算です。社会人も5年目となれば、十分に到達可能な金額といえます。
若い世代も老後への不安は大きい
20代でも毎月預貯金をしている人が多い理由の一つには、老後への不安もあるでしょう。そもそも、同調査結果では、「現在の貯蓄状況に不安を感じている」と回答した人が72.9%もいました。20代後半の女性では80%を超えています。 また、「老後の生活資金は年金だけでは不十分だと思う」とした人が90.7%にものぼりました。「老後が不安」と回答した人は73.5%です。 仕事をリタイアするときに、あると安心できる貯蓄額は、平均で2195万円となっています。ただ、ボリュームゾーンは20.9%で「500万円以下」となっており、そこまで多い金額にはなっていません。 「500万円超1000万円以下」が18.8%、「1000万円超2000万円以下」が15.4%となっており、2000万円以下と回答した人が全体の55%ほどを占めています。 20代は結婚をしていない、していても子どもがいない人もまだ多く、今後、リタイア時に必要な貯蓄への意識が変わる可能性があります。しかし、預貯金を含めた貯蓄への意識が低い人はほとんどいません。同僚にならって、月に5万円程度の貯金から始めてみると、将来への安心感が確実なものになるでしょう。