水球だけやっていればいいわけじゃない――日本代表・新田一景が“水球のまち”で育んだ「社会貢献したい」という強い思い
「水球で人から感謝されることは、これまでなかった」柏崎で感じた社会貢献活動の重要性
小学校でのブルボンKZの選手たちが行なう水球の授業では、子どもたちに先ず泳ぐことを教え、それから水球(水球を模したボール遊びに近いという)に進む。 「子どもたちは水の中でボールを使うだけでも楽しい。そこから自然に(水難などから)自分の身を守ることを学べるんだったら、それはとてもいい時間なのかなと思います」 市民の一人としてブルボンKZのトップアスリートが学校に赴いて水泳・水球を教える授業の評判は上々のようだ。 「柏崎の小学校を最近卒業した生徒たちは、全員学校で水球を経験しているぐらい、学校から受け入れられている。『水球の授業をやってください』という小学校がほとんどですね」 子どもたちは家に帰ると家族に「今日、水球の選手が学校に来てくれて水泳・水球の授業をやってくれたんだよ」と言う。 「自分がお菓子屋さんとかに行くと、そこのおばあちゃんが『孫のために水球の授業をやってくれて、ありがとう』という会話が生まれるんです。水球で人から感謝されることは、これまでなかった」 水球・水泳を子どもたちに教えることによって、感謝の気持ちが彼らに返ってくる。 「社会貢献活動の重要性を柏崎に来て知りました」 一流プレーヤーとしての活躍だけでなく、こうした活動の大切さもぜひ知ってほしい。そう新田はオランダから願っている。 取材・文●中田徹
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