英公的部門純借り入れ、11月は予想下回るも厳しい財政状況続く
Andy Bruce [20日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が20日発表した11月の公的部門純借入額(国有銀行を除く)は112億4900万ポンドとなり、ロイターがまとめた市場予想の130億ポンドを下回った。 一時的な物価下落で物価連動国債の利払いが減ったことが背景で、厳しい財政状況は続いている。 英国では景気が予想以上に鈍化する一方、インフレ率が再び加速している。リーブス財務相は10月30日の予算案で発表した新たな財政ルールの順守で厳しい課題に直面している。 10月の公的部門純借入額は約8億ポンド上方修正された。 11月の物価連動国債の利払いは9月の小売物価指数が0.3%下落したため、18億ポンド減少したが、小売物価指数は10─11月に上昇し、9月の下落分が全て帳消しになった。 会計士業界団体ICAEWのディレクター、アリソン・リング氏は「政府は、国内総生産(GDP)伸び率の低迷やインフレ加速といった最近の経済指標が黄信号を発していることを懸念するだろう。財政は依然として極めて逼迫しており、近いうちに状況が変わる可能性は低い」と述べた。