地震に豪雨 相次ぐ試練の「珠洲焼」復活へ 仲間と歩む珠洲焼作家・篠原敬さん
珠洲焼作家・篠原敬さん「当初の予定では6月ぐらいには仮設住宅に入って2次避難先の野々市から戻ってきて窯の再建を始めて年内に再建させる予定だったが、仮設住宅に入れたのは11月の初めになってしまったので、そこからスタートした」 9月の豪雨も工房を襲い、再建はさらに遠のきます。 珠洲焼作家・篠原敬さん「裏山が崩れてこの窯の地面が泥土で覆われていたし、窯の周りも30センチぐらいの泥土が押し寄せてきた」 ■ボランティアを募集し再建へ ハワイからの「助っ人」も 篠原さんはSNSでボランティアを募集し、10月に泥出し作業を行いました。 そして14日、本格的な窯の復旧作業がいよいよスタートします。 地震で崩れたままだった窯を片付けます。 珠洲焼作家・篠原敬さん「ちょうど14日に窯の再建の第一歩を踏み出した。全国から色んな方が集まってくれてまずは崩れた窯のレンガを再利用するために掃除する作業を始めている」 集まったボランティアは3日間でのべ30人。中にはハワイから遥々駆け付けた珠洲焼ファンも。 ハワイからのボランティア「雪の間は来るなと言われたのでまたよろしくお願いします」 篠原さんは崩れたレンガを運び、ボランティアはレンガに着いたモルタルというセメントのようなものを剥がす作業を行います。 剥がしたモルタルは窯の再建で使う大切な資材になります。丁寧な作業が求められる工房には作業の音だけが響きます。 東京からのボランティア「豪雨のあとも来ていて窯の再建も手伝いたいと思って来た。ずっと関わっていきたいと思う」「皆さんで力を合わせて少しずつでも前進して変わっていくというのを見れたら嬉しい」 ■ボランティアに「珠洲焼の未来を考えてもらいたい」 ボランティアが行うのは復旧作業だけではありません。篠原さんは訪れたボランティア全員に記念として自由な珠洲焼の作品を作ってもらっています。 珠洲焼作家・篠原敬さん「ボランティアを集めて労働してもらうということじゃなくて、みんなで珠洲焼の未来を考えていこうと。だから来てくれた方には必ず粘土を渡して、思い思いの作品を作ってもらってそれを初窯に入れて記念として渡す」