「まずい。103万超える」……手取り減で“働き控え” 税金と社会保険料の「4つの壁」どうなる?【#みんなのギモン】
■税金と社会保険料の“4つの壁”
小野解説委員 「壁はいろいろあります。103万円(所得税の負担発生)、106万円(51人以上の企業の社会保険料)、130万円(50人以下の企業の社会保険料)、150万円(配偶者特別控除)。103万円と150万円は税金に関する壁、106万円と130万円は年金など社会保険料の壁です」 森圭介アナウンサー 「年収の壁はよく聞きますが、それぞれ厳密に説明できるかというと、難しいですよね」
■大学生の子がアルバイトをする世帯では
小野解説委員 「今政治の力で、どう変えていくのか駆け引きが行われています。103万円の壁について見ていきます。世帯主と配偶者、親と子などいろんなケースがありますが、親と子の場合で考えます」 「子どもは学生でアルバイトをしている。その年収は年間103万円以下の場合は、もともとアルバイトした所得に対する税金はかかりません。これが103万円を超えると、しっかりとした収入があるということで、子どもは自分で所得税を払うことになります」 「さらに親にも関わってきます。子どもが扶養家族ではなくなるため扶養控除が受けられず、親の税負担は増えます。世帯としての年収は減りますよね」 「そのため103万円の壁を超えたくない、アルバイトなど働くのを年末を前にストップする人も多いわけです。雇う側も人手不足で困るなど、いろんな問題が起きてきます」 刈川くるみキャスター 「学生の頃の友達が、年末になるとこの壁にとても悩んでいました。親も雇う側も、どの立場から見てもそれぞれの希望が通りづらい、悪循環になってしまっているのかなと思いますね」
■「103万円」のルール、30年前から
小野解説委員 「この時期になると学生さんからも『壁、壁』という声が聞こえてきます」 「103万円を超えたら税金をかけるルールは、今から約30年前から変わっていません。最低賃金は今、1995年の1.73倍になっています。だったら壁もそれに従って1.73倍にして178万円に引き上げるべきだ、との考え方があります」 「国民民主党の試算では、引き上げた場合に年収200万円の人は8万6000円の減税、年収800万円の人は22万8000円の減税になるといいます。これだけ減税になるということは、政府の税収は減ることにもなります。そこをどうするか、議論しなければいけない点です」 森アナウンサー 「減税された分で消費を喚起して、他のところで(税を)取りましょうというのも分かりますが、額が額ですから、果たしてうまくいくのかをきちんと議論してほしいですね」 小野解説委員 「税金に関わるもう1つの壁が、『150万円の壁』です。配偶者の年収が150万円を超えると、ここから上は配偶者特別控除が段階的に減り始め、世帯主の税負担が増えます」 「103万円の壁を178万円まで引き上げたら、この150万円の壁はどうするのか気になるところです」