第10回ふくしま産業賞 特別賞 グリーンズグリーン福島(福島県喜多方市) スナゴケで就農支援
福島県喜多方市の荒川産業(荒川健吉社長)が2019年、不織布シートの上でコケを栽培する特許技術を取得している新潟市のグリーンズグリーン(佐藤靖也社長)と共同で設立した。雑草を生やさずに緑化ができる「スナゴケシート」を生産、販売している。耕作放棄地などで利用することで新規就農者を増やし、里山を維持しようと取り組む。 スナゴケは土壌や肥料を必要とせず、雨水や空気中の水分のみで生育できるという。環境に優しく生産者の負担が少ない。新規就農者や農業の専門的な知識がない福祉事業所の関係者らでも取り組みやすいのが特徴で、農業分野での雇用創出につながる。現在は郡山市と喜多方市の計2カ所の障害者就労施設と連携して栽培している。 シートは持ち運びが容易で、現場の状況に応じて切って大きさを調整しながら使用できる。工場敷地に設ける緑地や道路ののり面、住宅の庭や室内のインテリアなど幅広く利用でき、低コストだ。農地に太陽光発電パネルを設けた場合、パネルの陰になる農地をどう生かすかが課題となっているが、パネルの下でも栽培が可能だ。
鈴木真吾社長(45)は「農福連携の取り組みになっている。ほ場を拡大して知名度を上げるとともに、新しい魅力ある仕事を提供していきたい」と語った。 ■メモ ▽創業=2019年 ▽社長=鈴木真吾 ▽従業員数=5人 ▽住所=喜多方市字屋敷免3960 ▽電話番号=080(3352)4894