2028年より雇用保険適用が拡大。パート主婦への影響はある?手取りはまた減るのか
雇用保険適用拡大によるパート主婦への負担とメリット
2028年10月以降から雇用保険の適用が拡大された場合、週に10時間以上の労働で加入対象となります。 たとえば、週に2日、1日5時間の労働でも適用となるため、加入対象のハードルが大幅に下がることになるでしょう。 雇用保険の適用になった場合、社会保険料や税金などと同様に、雇用保険料も給与から天引きされるため、手取り額はその分少なくなります。 令和6年の従業員の雇用保険料率は、一般事業で賃金の0.6%とされているため、仮に時給1200円で5時間勤務を週に2回した場合、月の給与は約5万円前後となります。 その場合、雇用保険料は月に約300円、年間で約3600円となるため、社会保険料の保険料率と比較すると負担額は少ないものといえます。 また、雇用保険に入ることで「失業手当」や「育児休業給付、介護休業給付」の支援を受けられるだけでなく、「教育訓練給付制度」といった制度も活用できます。 そのため、育児中の人や育児復帰後に正社員への転職を考えている人にとっては、保険料分以上の支援を受けられる可能性が高いです。 雇用保険の適用拡大により、手取り額が減少する人は増えてしまいますが、多くの場面でメリットに感じることが多いものとうかがえます。
支給条件の確認も忘れずに
本記事では、雇用保険の適用拡大における概要や影響について紹介していきました。 2028年10月より、雇用保険の適用が拡大される見通しです。 これにより新たにおよそ500万の人が加入する見込みとなっており、該当する場合は現在の手取り額が、雇用保険料の天引きにより減少する可能性があります。 とはいえ、雇用保険料に加入すれば、失業手当や育児休業給付などの支援が受けられるため、いざという時の安心感は強くなるのでしょう。 「まだ先のこと」と思わずに、ご自身が適用になるか、適用の場合はいざという時の支給条件なども、今のうちに確認しておけると良いでしょう。
参考資料
・厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要」 ・株式会社ビースタイル ホールディングス「雇用保険の適用対象を10時間以上へ拡大:「賛成」が「反対」の約3倍/「どちらとも言えない」54.1%適用対象が拡大された場合の仕事の希望条件「影響はない」32.8%」 ・厚生労働省「第189回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会」 ・厚生労働省「令和5年度雇用保険料率のご案内」
太田 彩子