【ハイライト動画あり】両軍合わせて22トライの乱戦制した流経大。日大は序盤の勢い維持できず。
前半14分の反撃の第一歩、WTB仲野優輝のトライも、中村のラストパスから生まれた。 下級生が多く出場している流経大。しかし、4年生の働きが芯にあってこそ、3年生以下がのびのびとプレーできていた。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは、SO佐々木開だったが、この司令塔も4年生。正確なプレースキックも光ったが、やはり、序盤の劣勢時にも慌てず、おちついて打開策の実行とゲームコントロールに徹したことが評価されたはずだ。
前出のFB中村は、先手を取られた序盤を、「堅くいこうとし過ぎて、自分たちの強みを出せていなかった」と反省した。 本来は、ダイナミックにボールを動かし、攻めるチーム。先に相手に走られたことでスイッチオン。前半終盤から、後半20分近くまでの間に9連続トライを奪った攻撃力は圧巻だった。
日大も後半20分過ぎから5連続トライを奪い、一時は40点差以上開いた点差を一気に縮める粘りを見せた。 途中出場、WTB後藤翔大の走りがチームにエナジーを与えた。結局は最後に再び引き離されて終わるも、連続トライを返して試合終了を迎えられたことは必ず次戦につながるはずだ。
大味な試合だったが、勝った流経大のシンクル蓮主将は、「ボールをキープできている時は自分たちのアタックを騙したが、後半に入ってディフェンスが崩れ、取って取られて、の展開となってしまった。ただ、勝手反省できるとポジティブに捉えて次戦の準備をしたい」と振り返った。
自分たちに攻撃力があることは、両チームとも分かっただろう。そして、ディフェンスに一貫性がないことも。 防御時の日大は前に出る圧力が弱く、前に出られた。食い込まれることで、外に攻められるスペースを何度も作った。修正は必至だ。
流経大はセットプレー、特にスクラムの整備が急務となる。 そのプラットホームの劣勢がディフェンスの乱れも呼んでいる。
シーズン深まる中で、戦いはどんどんタイトになる。攻撃時間を長くすることを防御に結びつけながらも、ボールを取り返す激しい守りが必要。 そこは、両チームに共通していた。
田村一博