遅咲き右腕28歳で栄誉 船迫新人王 サイドスロー転向、プロ指名漏れ… 福島県内の7年間糧に
「村上宗隆選手(ヤクルト)に特大の本塁打を打たれた試合。あの日はいつもと違う攻め方をした結果、甘くなったシンカーを完璧に捉えられてしまった。自分の中でやるべきこと、芯を通すことの大切さを痛感した。教訓として今後につながると思う」 ―打たれた試合を挙げるのは向上心の表れか。 「今季も終盤で防御率が悪くなり、納得いくシーズンではなかった。その中でも新人王を取れたことを自信に、さらに頑張りたい」 ―プロ入り前の目標が新人王の獲得だった。次の目標は。 「まずはチームの日本一を目指したい。新人王を取れたことに満足せず、個人タイトルを狙いたい」 ■「努力の姿印象的」 聖光学院高 斎藤監督 船迫投手の新人王獲得を受け、関係者に喜びが広がり、今後の活躍に期待する声が上がった。 聖光学院高の斎藤智也監督は「プロ入りを熱望してひたすら努力する姿が印象的な教え子だった。これまでの苦労が報われたのではないか。来年は日本シリーズに出場し、日本一に貢献するような活躍を見せてほしい」と期待した。
聖光学院高の1学年下で共に白球を追ったロッテの佐藤都志也捕手(26)=いわき市出身=は初のベストナインを獲得し、NPBアワーズにそろって出席した。「今季の活躍をずっと見てきた。高校の先輩が新人王を取ってすごくうれしい。一緒に表彰式に臨めたことを誇りに思う」と祝福した。 船迫投手の在学時から東日本国際大の野球部長を務める福迫昌之副学長は「後輩たちに諦めなければ可能性が広がるという勇気を与えてくれた」とたたえた。