円形劇場ロイヤル・アルバート・ホールで120人が舞う「白鳥の湖」劇場公開
「《イングリッシュ・ナショナル・バレエ団『白鳥の湖』》」が、本日1月1日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほかで劇場公開される。 【動画】イングリッシュ・ナショナル・バレエ団「白鳥の湖」予告編(他7件) イングリッシュ・ナショナル・バレエ団がイギリス・ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで上演する「白鳥の湖」は、1997年にデレク・ディーンの演出・振付で初演されて以来、上演が重ねられている作品。本作では、ほぼ全方位を客席に囲まれた楕円形のステージに、白鳥役のダンサー60人を含む計120人のキャストが登場する。 このたび上映されるのは、昨年6月にロイヤル・アルバート・ホールで撮影された公演映像。白鳥オデット / 黒鳥オディール役をイ・サンウン、悪魔ロットバルト役をジェームズ・ストリーター、王子役をギャレス・ハウが演じた。また、北海道出身のソリスト・大谷遥陽が3幕のナポリに出演している。 大谷は「この公演では3人で踊るパドトロワが4組同時に踊るパドゥドゥーズになっていたり、四羽の白鳥が背中合わせで八羽で踊っていたり、今まで皆様があまり見たことのない白鳥の湖に仕上がっています」とスケールの大きさをアピールした。 大谷のコメント全文、イ、ハウ、ディーン、映画版の監督ドミニク・ベストのコメントは以下の通り。 ■ 大谷遥陽コメント この度日本の皆様にイングリッシュナショナルバレエによるSwan Lake in the round(邦題:イングリッシュ・ナショナル・バレエ団「白鳥の湖」)をお届け出来る事を大変嬉しく思います。 こちらではこの公演の見どころ、裏話など少しお話させて頂きたいと思います。 今回主役を踊られた2人は高身長でとってもしなやかで美しく、2人の素晴らしいパートナーシップも発揮されています。特にオデット/オディールのSangeun Lee(イ・サンウン)のポワントを履いているのに全く足音がしない素晴らしいフットワークは見どころです。 このSwan Lake in the roundでは1度の公演で100人以上のパフォーマーが出演しなければならない為、毎回オーディションで50-60人ほどをこのプロダクション限定で雇います。 普通の劇場で踊る白鳥の湖でさえダンサーにとって大変な演目なのですが、このRoundバージョンは舞台が円形でさらに大きい為、かなりの距離を走らなければいけません。 そのハードなリハーサルなどによる影響で今回ダンサーの怪我や病気がかなり多く、初日が開幕するまでにかなりのキャストチェンジもありました。ダンサーによっては当日に習っていなかった場所を任されることになり、数時間前にビデオで確認して踊る事も。 最終的には交代で役をする所、代わりもいない状態になりほぼ1キャストで13公演を繋ぐことになりました。 私達四羽の白鳥も実は全13公演同じキャストでした(笑) この公演では3人で踊るパドトロワが4組同時に踊るパドゥドゥーズになっていたり、四羽の白鳥が背中合わせで八羽で踊っていたり、今まで皆様があまり見たことのない白鳥の湖に仕上がっています。 あともう一つ裏話としては、ロットバルトを踊っているJames Streeter(ジェームズ・ストリーター)の素晴らしいメイクは実は彼自身がしているんです。彼の高い演技力も注目して頂きたいです。 私を含めたくさんの日本に所縁のあるダンサーも出演しています。いつも応援してくださる皆様にイングリッシュナショナルバレエで踊る私達の姿を実際に映像で見て楽しんで頂ける事は私達にとって本当に喜ばしい事です。 そしてまたいつか実際にイングリッシュナショナルバレエが日本で、皆様の前で踊る事ができる日が来る事を願っています! ■ イ・サンウン コメント 当初は撮影されることに緊張していたけれど、公演の素晴らしさと親密さを多くの観客と分かち合うスリリングな機会になりました。私たちが舞台で創り上げた魔法を楽しんでいただけることを願っています。 ■ ギャレス・ハウ コメント デレク・ディーンの「白鳥の湖」でジークフリート王子を踊ったことは、私のこれまでのキャリアのハイライトになりました。 世界中の視聴者が体験できるように撮影されたこのユニークな作品に参加できたことを非常に幸運に思っています。 私たちが「白鳥の湖」を上演したのと同じように、皆さんがこの作品を楽しんでくださることを願っています ■ デレク・ディーン コメント 世界で唯一無二のプロダクションであるENB「白鳥の湖」が劇場公開のために撮影され、多くの観客がこの独創的な作品を楽しむ機会を得られることを嬉しく思います。 ■ ドミニク・ベスト コメント 長年あたためてきた大切な企画であるENB「白鳥の湖」の劇場公開がいよいよ実現しました。あの白鳥たちの群れとスケール、壮大さ。私たちが心をこめて創り上げた作品が、多くの人に届きますように。きっとチャイコフスキーも喜んでくれるでしょう。 ©︎ English National Ballet 2024