佐々木八段 27手目に新手 早繰り銀を5段目進出 藤井竜王との第4局は角換わり 2時間半の消費時間差
将棋の藤井聡太竜王(22)=王将など7冠=が挑戦者に佐々木勇気八段(30)を迎える第37期竜王戦7番勝負第4局は15日、大阪府茨木市の複合施設「おにクル」で1日目が始まり午後6時6分、藤井が62手目を封じて指し掛けとなった。 藤井の2勝1敗で迎え、佐々木の先手で始まった。飛車先の歩を2手ずつ伸ばし合った5手目、佐々木が角道を開けて角換わり志向を示した。相手の戦型選択を受け入れる傾向にある藤井も、角頭を守る金上がりで角換わりが決まった。 両者の対戦で角換わりは今期第1局以来。7番勝負前までは6局指してうち4局が角換わりだった。佐々木にとっては負けると後がなくなる重要対局。しかも第5局は後手番になる。必勝への思いはその得意戦型、そして27手目、早繰り銀で腰掛けた右銀を5段目へ進め、藤井陣へ圧力を加えた新手に表れた。 そして昼食休憩前、佐々木が手駒の角を1筋へ打ち込んで飛車取り。その後、自陣へ成り返った馬を中央に据えた。27手目に5段目へ進めた右銀も馬と並んで中央を制圧した。対して藤井は9筋の香に突破のメドが立ち、反撃をうかがっている。 持ち時間8時間の対局は佐々木が2時間半、藤井が5時間7分消費した。残り時間に2時間半以上の大差が生じている。対局は16日午前9時、再開される。