発売当時「500万円」だった日本のスポーツカーが、20年たった今では中古で「2000万円超」に!? 価格が高騰したワケとは
車が好きな人であれば、「憧れのスポーツカーに乗ってみたい」と思う人も多いでしょう。しかし、ひと昔前の日本のスポーツカーは価格が高騰し、もはや手が届かない存在になっているケースも少なくありません。 「走行距離も長いのに、なぜこんなに高いの?」「中古で安く買おうと思っていたのに、新車より高い理由が分からない」といった疑問が浮かぶのではないでしょうか。本記事では20年以上も前の日本のスポーツカーの価格が高騰している理由を解説します。
昔のスポーツカーの価格はこれだけ高騰している
20年以上の時を経て、発売当時では信じられないほど日本のスポーツカーの価格は高騰しました。例を挙げると、1999年に発売された「日産スカイライン(SKYLINE)GTR」の新車価格は約500万円でしたが、今では中古車市場で2000万円を超える価格で販売されています。 また1993年にトヨタが発売した「スープラ」は、発売当時の価格は300万~400万円で、スポーツカーの中では比較的手の届きやすい車でした。しかし今では中古車市場で1000万円前後の価格で取引されることもあり、もはや「高級車」と呼べるほどになっているのです。 そのほか旧車でも値上がりしているケースが多く、発売当時は若者でも乗れていた車が、今ではお金に余裕のある人しか所有できないほどになりました。では、なぜここまで価格が高騰するようになったのでしょうか。
価格が高騰している理由
日本のスポーツカーの価格が高騰している理由として、「数が少なくなっている」うえに「高くても買いたい人が増えている」ことが挙げられます。特に価格高騰の要因となっているのは、「海外の熱狂的な日本車のファン」と「アメリカの25年ルール」の存在です。 1980年代~2000年代初期において「スープラ」「NSX」「RXー7」「GTーR」といった数々の名車が日本で誕生し、ハリウッドのアクション映画などにも登場しました。これらの車は今でも色あせぬデザイン性の高さから「日本から輸入してでも乗りたい」と思うようなファンが世界中で増加したのです。 そして自動車大国であるアメリカの存在も大きな要因です。アメリカでは通常右ハンドル車の走行が認められていません。しかし、運輸省道路交通安全局(NHTSA)の法令により、製造から25年たった車はアメリカ国内においてクラシックカーと認定されると、右ハンドル車でも走行が可能になるのです。 こうしたルールは通称「25年ルール」と呼ばれ、25年以上前に製造された日本車が合法的に乗れるようになったことから、アメリカから日本車を買う人が増加しました。 商品の価格は需要と供給で決まります。20年以上も前に製造された車は時がたつにつれて数が少なくなっているのに対し、海外からの日本車需要が増えたことから、必然的に価格が上昇しているのです。