国学院久我山 エースの奮闘とレジェンドの教えでセンバツ初勝利
第94回選抜高校野球大会は第4日の22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、国学院久我山(東京)が有田工(佐賀)を4―2で破った。エースの成田陸(3年)が投打でチームをけん引した。 【熱戦を写真特集で】国学院久我山vs有田工 ◇ 先手を取り続けながら、突き放せないもどかしい展開。国学院久我山に白星をもたらしたのは右腕・成田、そしてチームに息づく球界のレジェンドの教えだった。 一回にいきなり2死二、三塁のピンチを背負った。雨で約3時間半遅れで試合が始まった直後で、守備の乱れも二つ絡んだ。浮足だってもおかしくない場面で、成田は強気だった。5番・土谷に投じた5球はすべて直球。外角の134キロで三ゴロに仕留め、「エラーもあったけど、全員で気持ちを切り替えられた」。直球は130キロ前後ながら、右打者の外角へのスライダーも効果的に織り交ぜ、2失点で投げ抜いた。 昨年11月、米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチローさん(48)が国学院久我山のグラウンドに指導に訪れた。技術面もさることながら、泥臭さや9人で野球をする意識の大切さを改めて学んだという成田は、食らいつくような打撃で適時打も2本放った。「空振りを嫌がって当てにいく癖があったけど、詰まりながらでも結果を出せたのはイチローさんのお陰かな」と振り返った。 成田を支える野手陣も、バッテリーの配球に応じて中堅手が左右に大きく守備位置を変えるなど、イチローさんからも称賛された「考える野球」を実践した。3失策はあったものの「全員野球の神髄が出せたと思う」と尾崎監督。関係者を通じて「アメリカで試合を見てますよ」と連絡をくれていたというイチローさんに誇れるセンバツ初勝利をつかんだ。【野村和史】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。