豪雨死者13人負傷47人 奥能登、発生1週間 6河川で流木除去着手
奥能登を襲った豪雨は発生1週間の28日、輪島市と能登町で2遺体が見つかり、死者は計13人となった。石川県警は、輪島市で発見されたのは安否不明の中村菊枝さん(75)=同市門前町皆月=、能登町で見つかったのは行方不明の谷野まち子さん(68)=同町北河内=とみて身元の確認を進めている。安否不明者は2人、重軽傷者は35人増の47人となった。県は輪島市の6河川で流木の除去に着手し、10月1日から被災地に専門家を派遣して罹(り)災証明書の発行を急ぐ。 【写真】大規模な土砂崩れが起きた現場。住宅の1階部分が埋もれている=23日午後2時10分、珠洲市大谷町 輪島市門前町皆月では午前11時半ごろ、中村さんを捜索していた警察官が皆月漁港の灯台付近の消波ブロックで高齢女性とみられる遺体を見つけた。谷野さんの住む能登町北河内から下流約2キロのダム周辺では午前9時過ぎに遺体が発見された。いずれもDNA型鑑定で身元の特定を行う。 県庁で開かれた災害対策本部員会議では、重傷者が1人増の2人、軽傷者が34人増の45人となったと報告された。増加数は全て輪島市分で、市はこれまで「調査中」と報告していた。 流木除去の作業が始まった輪島市の6河川は河原田川、塚田川、町野川、浦上川、八ケ川、鳳至川。被災地への専門家派遣は日本不動産鑑定士協会連合会の協力を得て、本格化する被災家屋の被害認定に当たる。 坂口茂輪島市長は住宅の被害調査を30日から始めたいとし、市道の通行止めが148路線と報告した。泉谷満寿裕珠洲市長は、断水解消に向け、土砂や流木の除去で支援を求めた。 大森凡世能登町長は、県派遣のボランティアが75人の想定に対し、実際には19人だったと説明した。馳浩知事は輪島市東陽中を専門ボランティアの拠点に活用する考えを示した。