国民民主党が支持率12%で初の野党1位…「103万円の壁」見直しで評価、他党は埋没気味
読売新聞社が13~15日に実施した全国世論調査で、国民民主党の政党支持率が、自民党(24%)に次ぐ12%となり、初めて野党で「1位」となった。「年収103万円の壁」見直しなど政策実現に向けた取り組みが評価されたとみられ、立憲民主党など他の野党は埋没気味となっている。
国民民主の古川元久代表代行は16日、国会内で記者団に対し、支持率が野党トップとなったことについて「政策中心の政治議論を行っていることに、一定のご理解をいただけた」と手応えを語った。
国民民主の支持率は、2020年に現在の国民民主が発足して以降、1~2%程度で推移する「低空飛行」を続けてきた。10月の衆院選で「手取りを増やす」と訴えたことで支持が急拡大し、衆院選直後の10月下旬の調査では7%、11月は10%と上昇した。
少数与党の状況下で自民、公明両党と政策協議に臨み、「103万円の壁」の見直しやガソリン税に上乗せしている暫定税率の廃止などで与党側から譲歩を引き出し、存在感を増した。
党の顔である玉木代表が知人女性との不倫関係を報じられて3か月間の役職停止処分を受け、党内には発信力の低下を懸念する声もあったが、玉木氏はテレビ出演やSNSでの発信を続けており、現時点で影響は限定的だ。
他の野党は存在感の発揮に苦慮している。
立民は2024年度補正予算案を巡り、能登半島の復旧・復興費を1000億円増額する修正を勝ち取り、政治改革でも企業・団体献金の禁止を訴えて自民への批判を強めるが、支持率は8%と前回から3ポイント低下した。自公国の協議に注目が集まり、「アピール力で国民民主に圧倒的に差をつけられた」(立民幹部)形だ。立民の大串博志代表代行は16日の記者会見で「野党第1党でなければできないことをしっかりやっていきたい」と述べた。
維新は、1日に吉村代表(大阪府知事)が就任し、新体制が始動したが、支持率はほぼ横ばいだった。維新幹部は「党代表の全国的な知名度が上がっていない」と頭を悩ませている。