歌広場淳×千葉如水×望月うかる“格ゲーコスプレ”座談会 知られざるコスプレイヤーの世界に迫る
大のゲームフリークとして知られ、ゲーマーからの信頼も厚いゴールデンボンバー・歌広場淳による連載「歌広場淳のフルコンボでGO!!!」。今回は、コスプレイヤーの千葉如水、望月うかるとの座談会を行った。 【写真】歌広場淳と座談会を行った、千葉如水と望月うかるの『スト6』コスプレフォトコレクション 巨漢キャラや“イケオジ”キャラを巧みに再現することに定評があり、アニソン歌い手ユニット「フルメタル・ストーム!」としても活動する千葉如水。合同会社SMARTPLAYの代表を務め、同社コスプレ部門のSMART Queenに所属する望月うかる。そんな両名には、『ストリートファイター6』のコスプレで話題になったという共通点も。 かねてよりコスプレイヤーの世界に関心を持ちながらも腰を据えて会話をする機会に恵まれなかったという歌広場淳が、ここぞとばかりにふたりを質問攻めにしていく。 ■「これだったら自分もできそう!」からコスプレ沼に 歌広場淳:本日はよろしくお願いします! 僕はおふたりのことを『ストリートファイター6』(以下、『スト6』)関連のイベントでお見かけしていて、千葉さんといえばブランカのコスプレの人、望月さんはリリーのコスプレの人という認識でした。 僕に限らず、『スト6』プレイヤーは同じような認識を持っている人が多いと思うのですが、そもそも、おふたりがコスプレイヤーとして活動を始めたきっかけについてお聞きしたいです。 千葉:私の場合は、学生時代に『ストリートファイターII』が大ヒットしていて、そのころに学校の文化祭でリュウのコスプレをしたのが始まりでしたね。 歌広場淳:きっとその当時って、コスプレというものがいまほど一般的ではなかったころですよね? 千葉:そうですね。コスプレイベントの情報を探そうと思っても、友だちの友だちくらいのつながりの人からウワサ程度に辛うじて伝わってくるという、そのくらいのアングラな界隈でした。 歌広場淳:僕もわりとゲームやアニメが好きな子どもだったのですが、小学生のころにたまたま近所の会議室のような場所に不思議な格好をした大人たちが集まっているのを目撃したことがあって。後から調べたらコスプレイヤーさんたちの交流会だったってことがありました。 千葉さんは、これまでさまざまな作品のコスプレをされてきたと思うのですが、ご自身の原点という意味でも、格闘ゲームに対する思い入れは強いわけですね。 千葉:はい。文化祭でのリュウ以降、『ストリートファイター』シリーズのコスプレを続けながらも、『餓狼伝説』をやったり『鉄拳』をやったりと、格闘ゲームのコスプレは活動の中のひとつの軸になっていますね。 歌広場淳:千葉さんのように、コスプレイヤーの分野から長年にわたって格闘ゲーム業界を盛り上げてくれている方がいるというのは、イチ格闘ゲーマーとして本当にありがたいことだなと思います。 続いて望月さんはいかがですか? コスプレを始めたきっかけというと。 望月:私は15歳からコスプレをしていて、かれこれ13年くらい続けています。当時はVOCALOIDが流行っていて、ハチさん、いまでいうところの米津玄師さんの「マトリョシカ」という曲が大好きだったんです。 その「マトリョシカ」のMVで初音ミクちゃんが着ているパーカーを見て、「これ意外と簡単そうに作れそうだよね」と、友だちといっしょに作ってみたことがあって。 その友だちはパーカーだけ作って満足してしまったんですけど、私は「パーカーができたんだから、次はウィッグも着けたいな」と、どんどん熱が高まっていって、そこからガッツリとコスプレの世界に入っていったという感じです。 歌広場淳:なるほど。千葉さんのように、いきなり文化祭でデビューしてしまうような思い切った方もいれば、望月さんのように段階を踏んでハマっていく方もいるわけですね。 望月:当時は中学生でお金もなかったんですけど、これならユニクロで買ったパーカーにフェルト生地を貼り付けるだけで簡単に作れそうだなと。そこからさっそく翌月のお小遣いでウィッグに手を出しました(笑)。 歌広場淳:「これだったら自分でもできそう!」という思いが後押しになったということですね。千葉さんに関してはリュウのコスプレということでしたけど、たまたま道着を持っていたとか? 千葉:はい。柔道部だったので。リュウのコスプレをするために、勝手に袖を切ってノースリーブ状態に加工しちゃったので、後で顧問にめちゃくちゃ怒られました(笑)。 歌広場淳:そりゃ怒られますよね(笑)。 ■演じる側の“愛”と、見る側の“愛”が重なる瞬間に醍醐味がある 歌広場淳:千葉さんは『ストII』ブーム直撃世代だったとのお話がありましたけど、望月さんはリリーのコスプレをするようになるまでに、どのようにして『スト6』、あるいは格闘ゲームと出会ったのでしょうか? 望月:もともとゲームは好きでいろいろやっていたんですけれど、格闘ゲームには全然触れてこなかったんです。2023年末に買った『スト6』が、私にとっての初・格ゲーでした。 歌広場淳:ええっ、望月さんってMASTERに到達されているんでしたよね!? 格闘ゲーム自体を始めてまだ1年も経っていないのに、めちゃくちゃすごいじゃないですか! やっぱり『スト6』のブームっぷりは、コスプレイヤー業界にも何らの影響を与えているってことなんでしょうか。 望月:そうですね! ストリーマーさんやVTuberさんたちがやっているのを見て、「私もやってみたい!」となって始めたコスプレイヤーは多そうな感じがします。 歌広場淳:ちなみに、使用キャラとしてリリーを選んだきっかけというのは? 望月:最初はジュリを使いたいなと思っていたんです。コスプレすることも見据えて、ジュリをやりたいからゲーム内でも使えるようになっておきたいなと。 ただ、操作とかが全然わからないからワールドツアーから始めることにしたんですね。そうしたら、ワールドツアーでジュリに弟子入りできるようになるまで、けっこう時間がかかるということを知って。 それでジュリより先にリリーと出会ったときに、少し使ってみたら「これはリリーかもしれないな」という気持ちになったので、予定変更でリリーのコスプレの準備をやりはじめたんです。 歌広場淳:なるほど、ワールドツアーモードがいいきっかけになって、リリーと出会えたんですね。 一方の千葉さんですが、あの当時にリュウのコスプレをして人前に出るってなかなかハードルが高いことだなと思ったんですけど、周囲の反応はいかがでした? 千葉:正直、「うわ、なんか変な人がいる……」みたいな感じでしたね(笑)。 歌広場淳:やっぱりそうなりますか。でも、当然コスプレイベントやゲームイベントなどで披露すれば、また見る人の反応も変わってきますよね。 千葉:そうですね。「あ、リュウだ!」なんて言ってもらえると、自分はいまリュウとして認識してもらえているんだ、とうれしくなります。 歌広場淳:そういう意味では、コスプレする側のキャラクター愛と、コスプレを見る側のキャラクター愛が噛み合ったときこそが、コスプレイヤーとしての醍醐味をもっとも感じられる瞬間なのかもしれませんよね。 僕も以前、池袋のコスプレイイベントに参加させていただいたことがあって、そこで『遊☆戯☆王』の海馬瀬人のコスプレをやらせてもらったんです。ただ、実はたまたま海馬瀬人の衣装を持っている知り合いがいて、それを貸してもらえるから海馬を選んだに過ぎなかったんです。 だから、見てくれていた方々から「社長だ!」って言われても、「どうやら自分はいま、社長キャラのコスプレをしているらしいぞ」くらいにしか思えていなくて。せっかくコスプレさせていただくなら、もっとそのキャラクターのことを勉強しておけばよかったなと反省しました。 望月:でも、コスプレ初心者の方がいきなり大きいイベントでやるとなると、作品に詳しいお客さんも多いから大変ですよね。私が初めてやったときは、お家で、お友だちとだったので。 歌広場淳:おっ、聞いたことがありますよ。いわゆる“宅コス”ってやつですよね。 望月:そうです! 友だちとキャッキャ言いながら見せあって、お母さんも「あら、すごいね」みたいな。 ■“キャラクターへの愛を表現する”という魅力 歌広場淳:そうした原体験で感じた楽しさがあって、コスプレの世界にのめり込んでいかれたのだと思うのですが、おふたりが現在もコスプレを続けている理由や魅力はどんなところなのでしょうか? 千葉:やはり、自分の好きなキャラクターを自分で演じられること自体、テンションが上がりますし。そうやって自分のキャラクター愛を表現した結果、周囲の方にも「この人は本当にこのキャラクターのことが好きなんだな」と伝わる瞬間がたまらないんです。それがコスプレを続ける動機になっていますね。 望月:千葉さんと同じで、コスプレをしていて楽しいと思う気持ちは大きい気がします。あと、コスプレを通していろんな方との繋がりができて、どんどん交友関係が広がっていくのも不思議な感覚ですね。好きなことをやっていただけなのに、みたいな。 コスプレがすごく好きだったから、コスプレで好きな作品と関わらせていただけるようなお仕事もできたらいいな、というのがモチベーションとしてずっとあったので、なおさらそう思いました。 歌広場淳:コスプレを続けていくなかで、これをお仕事にできたらいいなという夢ができたわけですね。 望月:はい。上京してきたのが6年前なんですけど、周囲にも企業からお仕事をもらっているコスプレイヤーさんがけっこう多かったので、私もいつか何かに携われたらいいなという思いはありました。 歌広場淳:おふたりとも「コスプレが好き!」という気持ちが根底にあることは大前提として、それぞれのスタンスにわりと違いがあっておもしろいですね。これはなんでも格闘ゲームに例えちゃう、格ゲーマーの悪いクセなんですけど……。 言わば千葉さんは、「ゲームで飯を食っていけるわけないんだからやめなさい」と言われていたくらいのころから、「誰がなんと言おうと関係ない!」と好きなことを貫いてきた古来からの格ゲーマーのような気質があって。 かたや望月さんは、プロゲーマーのウメハラさんたちがバリバリ活躍している姿を見て育ってきていて、それに自分も憧れてプロゲーマーを目指した新世代の、いまをときめく格ゲーマーたちのような感覚があるのかなと。 望月:あぁ、言われてみればたしかにそうですね! 千葉:それこそ昔はコスプレの写真を上げてそれがバズるとか、コスプレでお仕事をもらえるなんて考えられなかったですからね(笑)。 ■コスプレイヤーの“キャラ選び”の基準とは? 歌広場淳:素朴な疑問なんですけれど、コスプレイヤーのみなさんは自分がコスプレするキャラをどうやって選んでいるんでしょう。「好きだから」というのはもちろんあるとして、「この子のコスプレがやりたい!」と思う基準とかってあるのかなと。 望月:リリーに関して言えば、デザインやゲーム内での操作感も決め手だったんですけど、身長や体型が似ているかどうかはけっこう大事かもって思います。ほかの方とあわせたときの身長差とかが気になったりもするので。 歌広場淳:“あわせ”というのは、同じ作品のコスプレをしている人どうしで写真を撮ることですよね。 望月:そうですね。これはあくまで個人的なポリシーで、他人に押し付けたりはもちろんしないんですけど、「原作ではこのキャラとこのキャラが並んだら、これくらいの身長差はあるんだよな」という身長差まで含めて再現してあげられたら、理想だなと思うので。 歌広場淳:なるほど! ほかのコスプレイヤーさんとあわせたときに、いかに自分の理想に近付けられるかという観点もあるというのは盲点でした。 でも、それで言ったら千葉さんは明らかに自分からかけ離れたキャラクターというか、だいぶ人間離れしたブランカのコスプレをされているわけですけど……。 千葉:あ、私の選ぶ基準は、自分の顔に似ているキャラクターです。 歌広場淳:いや、ブランカを見て「俺と似てるかも」ってならなくないですか!? 千葉:でも、表情豊かなところとかありますし、「これならいけるかも」って思いましたね(笑)。 歌広場淳:いやいやいや! ……というか、いまさらですけど千葉さんがスキンヘッドにしている理由って、ウィッグを被るときに邪魔にならないようにと考えているからだったりします? 千葉:はい。そうですね(笑)。 歌広場淳:気合の入りかたがエグい! ■コスプレが日常を侵食していく 歌広場淳:千葉さんがスキンヘッドにしているところとか、まさにだと思うんですけど。おふたりが、「自分はコスプレイヤーなんだなぁ」って思う瞬間ってどんなときですか? 千葉:たとえばゲーム画面やゲームの設定資料集とかを見たときに、すぐに服の材質とか布の種類とかを考察しはじめちゃうのは「コスプレ脳だなぁ」って思う瞬間かもしれないです。こういうメイクをすれば再現できそうだな、とか。 歌広場淳:キャラクターを見た瞬間から、もうどうやって表現しようかを考え始めてしまうんですね。そういった考えかたになったのって、コスプレを始めて何年目くらいのころからでしたか? 千葉:3年目くらいだったと思います。 歌広場淳:3年目!? 早い! ……のかどうかはわからないけれど、とにかくすごい!! 望月:私も千葉さんと似たようなお話で、ジュリのコスプレをするとなったときに眉毛を剃って麻呂眉にしたりとか、ウィッグからはみ出るから、もみあげを全部剃ったりしたんです。 それでいざスッピンになって冷静に鏡を前にしたら、麻呂眉だしもみあげも消滅してるしで、「これコスプレイヤーじゃなかったら絶対やってないな」って笑っちゃったことがありました。 歌広場淳:おふたりとも、やっぱりコスプレイヤーとしての活動が日常生活の何気ない瞬間を侵食してきているなと感じたときに、「コスプレ脳になってるな」と思っちゃうわけですね。 ■コスプレイヤーにとって“再現が難しいキャラ”とは? 歌広場淳:2023年6月に『スト6』が発売されたわけですが、発売されるにあたって、おふたりのコスプレイヤーとしての『スト6』に対する注目度はどのくらいでしたか? 千葉:おそらく、かなり流行るだろうなとは予想していました。発表のときから盛り上がりがすごかったので、最速でブランカの資料集めを始めましたね。 望月:私はもともと格ゲーマーじゃなかったので、発売されることを知ってはいるという程度でした。ただ、発売されてからは「コスプレイヤーの女の子たちのあいだで『スト6』が流行ってきているんだな」と感じることはどんどん増えていきました。 時期によって、「いまはこれがアツい!」というゲームが移り変わっていくようなところがあるんですけど、いまは『スト6』がその位置にいるような感じがあります。 歌広場淳:僕としては、『スト6』ではジュリのコスプレをされている方をよく見かける印象があります。実際に人気なんじゃないかなと思っているのですが、コスプレイヤーさんの視点から見て人気が出やすいキャラクターの条件ってあったりするのでしょうか? 望月:実際、ジュリは人気だと思いますよ。純粋に女の子から人気が出そうなビジュアルだということもあるのかなと。 コスプレイヤーの中で人気が出やすいキャラクターとなると、やっぱり身長や体格や肌の色などをすべて加味したうえで、なるべく日本人離れしていないキャラクターですよね。それだけ再現しやすくなるので。ジュリはビジュアルの良さに加えて、このあたりの条件も満たしていると思います。 歌広場淳:再現しやすいようなキャラクターなら、それだけチャレンジする人も増えるってことですね。ゴールデンボンバーの『女々しくて』も似たような話で、あの曲が流行ったきっかけのひとつには“真似しやすさ”があったみたいなんですよね。フリが簡単ですぐに真似できるから、飲み会後のカラオケなんかに最適だったそうで。 逆に、これはちょっと再現が大変そうだなと思うキャラクターとなると、マノンやマリーザとかになってくるんでしょうか。 望月:そうですね。あとはリリーやキンバリーも、ジュリと比べると1段ハードルが上がるのかなという印象です。褐色の時点でかなり大変さが増すので。 歌広場淳:ファンデーションとか塗らなきゃいけないから。でも、そういったハードルの高さが逆に燃える、なんて人も一定数いそうな気がします。 望月:そうですね! 身長や体格の近さや、衣装の作りやすさというのはあくまで判断基準のひとつなので、それはそれとしてハードルを果敢に乗り越えていくような方もコスプレイヤーさんの中にはちょこちょこいますね。 歌広場淳:千葉さんは、まさにハードルが高いと火がついちゃうタイプなんじゃないですか? ブランカとか全身緑色ですし、相当ハードルは高かったのかなと思うんですけど。 千葉:はい(笑)。でも、ブランカコスプレ自体は『ストリートファイターIV』時代からやっていたので、『スト6』でやる際には当時のものをある程度流用できましたから、そこまでハードルは高くなかったです。 歌広場淳:いや、答えになっていないですよ!(笑) それならそれで、『ストリートファイターIV』当時に作ったときは大変だったんじゃないですか、って話じゃないですか! 千葉:あっ、そうか(笑)。ふつうは大変ですよね。 歌広場淳:もはや千葉さんはコスプレのための苦労を、“苦労”と認識できなくなるほどの境地にまで達しているんですね……。一応お聞きしたいんですけれども、おふたりがいままでに一番大変だったコスプレの思い出があったらぜひ知りたいです。 千葉:パッと思い浮かぶものだと、「鉄拳」シリーズの三島平八は大変でした。あの髪型をウィッグで再現するのにすごく苦労しました。 歌広場淳:平八といえば、“八”を上下反転させたようなフォルムの髪型が特徴的ですよね。どうやってあれを再現したんですか? 千葉:まず一般的なウィッグを半分に削ぎ落として、そこにハンガーを接着しました。ハンガーを芯材にして、そこにウィッグを縫い付けるような形で髪の毛の動きをつけていったんです。 歌広場淳:なるほど、ハンガーという手がありましたか! 望月:私は、なんだかんだでリリーがぶっちぎりで大変だったかもしれないです。 歌広場淳:平八と同じく、リリーも重力に逆らっているタイプの髪型ですもんね。 望月:はい。ただ、髪型はウィッグさえ作れてしまえばずっと使っていけるんです。それより大変なのは、毎回ファンデーションを塗って褐色肌を再現しなきゃいけないことで……。 歌広場淳:ああ、肌の色の調整が大変という。 望月:そうなんです! あと、『RAGE STREET FIGHTER』のように対戦会があるようなイベントだと、相手の方とグータッチするときとか、コントローラーを触るときとかに、手のファンデーションがついてしまわないように気を使ったりする必要もあるので。 歌広場淳:ちょっとした動きでも、つねに周囲に気を配る必要があるわけだ。めちゃめちゃ考えることが多そうですね。 そういえば、「ゴールデンボンバー」にも樽美酒研二という白塗りの男がいるんですけど、あの人は撮影とかが長くなると白塗りのせいで肌が痒くなってきちゃうみたいで。ただ、引っかいたら白塗りがよれちゃうから、対策として爪楊枝を持ち歩いているんですよ。痒くなったら爪楊枝でツンツンと突いて、なんとか耐えるという(笑)。 望月:爪楊枝ですか!? その発想はなかった……!! 歌広場淳:千葉さんはどうしていますか? ブランカコスプレをしているときに、顔が痒くなったときとか。 千葉:顔は絶対にかけないですからね。我慢です。我慢するしかない……。 望月:私もジュリのコスプレをするときは、テーピングでガッツリ目尻を上げたうえでメイクをするんですよ。頭皮が引っ張られて痛くなるし、ご飯を食べると口の動きでテーピングが取れちゃうのでお昼ごはんを抜くこともありますね。 歌広場淳:テーピングで目尻を……って、すごい力技ですね。 望月:『ファイナルファンタジーXIII』のライトニングのコスプレをしたときとか、尋常じゃないくらいのテーピングをしていました(笑)。 歌広場淳:「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラは、たしかに人間離れしていますもんね。こうも大変なことがあると、「もうコスプレなんてやってられないよ!」と心が折れそうになるようなこともたまにはあったり……? 千葉:うーん、とくに大変と感じたことがないですから。 歌広場淳:そうだった(笑)。千葉さんはそのタイプの人でしたね。望月さんも千葉さんと近い感覚をお持ちなんでしょうか? 望月:そうなんですよね。準備している最中には、「なんでこんな過酷なスケジュールを組んじゃったんだろう」とか、「こんな大変なことはこれっきりにしよう」とか思うことはあるんですけど。そんなことを懲りずに何度もくり返して、気がついたら10年以上経っていたなって感じなので。 ■“原作再現”のための飽くなき研究心 歌広場淳:格闘ゲームって、キャラクターを動かす楽しみを感じやすいジャンルだと思いますし、思いどおりに動かせるようになることが強さにつながっていくのがおもしろいところだなと思っているんですけれども。 おふたりも格ゲーキャラのコスプレをするにあたって、あるいはお客様から写真のリクエストを受けるときに備えて、きっとゲーム内のキャラクターの動きを研究されているのだと思います。コスプレイヤーとして、コスプレするキャラの原作内での動きやポーズはどのように研究していくものなのでしょうか。 千葉:私は、とにかくトレーニングモードでたくさん動きを観察しますね。ただ、どれだけ研究を重ねてもブランカの“ローリングアタック”だけはどうしても再現できませんでした。 歌広場淳:そろそろ僕もツッコみませんよ(笑)。さすがの千葉さんでも、“ローリングアタック”(※1)の再現は難しかったかぁ~。 ※1……ブランカの必殺技。体を丸めて回転しながら空中を水平に突進する。 千葉:あれは無理ですね。ウィッグが飛んでっちゃいます。 歌広場淳:無理な理由、そこなんだ!? ……ダメだ、完全にペースを握られている。千葉さんはブランカコスプレで写真をお願いしますと言われたときの、定番のポーズはあるんですか? 千葉:『スト6』のブランカのキービジュアルとしてよく見かける、口元に人差し指を当てながらブランカちゃん人形を持っているポーズはよくやらせていただいていますね。 歌広場淳:やはりそこは公式のポーズを忠実に再現するほうが、お客様からの反応もいいですよね。 実は僕も少し前に、ニコニコ生放送の『月刊ゴールデンボンバー』という番組で、ハロウィンの企画としてブランカの仮装をさせてもらったんです。そこで写真を撮ってもらうときに、とっさに“指ハート”をしたら別の意味でめっちゃウケてしまって。「ブランカは絶対にそんなポーズしない!(笑)」って。 僕の場合はハロウィンの仮装だから大目に見てもらえましたけど、公式の場だったりするとなおさら気を遣いますよね。 望月:私もリリーのランクをMASTERまで上げる過程で、プレイ中の動きは半年間ずっと見続けてきたので、動きかたの雰囲気やポーズのバリエーションなどは、かなり掴むことができました。 撮影のときは、ポカモガン(※2)を両肩に乗っけているポーズが一番リリーらしい雰囲気が出るのかなと思うので、それをやることが多いですね。両手を広げるようなポーズや、“クワガタ”(※3)とかは幅をとるので、リクエストをいただいたときだけ周りにぶつからないように気をつけながらやるようにしています。 ※2……リリーが両手に持って戦う、棒の先に球がついた形状の武器。 ※3……リリーの立ち中パンチの俗称。両手でポカモガンを前方に突き出す動作から。 歌広場淳:おお! まさに“クワガタ”のように、格ゲー用語で「これやってください」とか、「この技のモーションをお願いします」なんて言われたときにもすぐに対応できるところは、MASTERまでやり込んだ望月さんや、長年にわたって格ゲーコスプレを続けてきた千葉さんの強みになっているわけですね。 格ゲーマーの中には「あの技やってよ」なんて、悪気なく無茶振りしちゃう人とかいそうだもん。誰にでも格ゲー用語が通じると思ったら大間違いなんですけど、それを受け止めるだけの懐の深さがおふたりにはあるわけですから、それはお客様も喜びますよ。 ちなみに、この質問は個人的に僕が参考にしたいからお聞きしたいんですけど、コスプレイヤーさんと接する――たとえば写真をお願いするなどにあたって、「こういう風にしてくれたらうれしい・ありがたい」と思うようなことってありますか? よく聞くところだと、写真を加工したうえでSNSにアップするとかだと思うんですけど。 千葉:私はもう、SNSに載せてもらえるだけですごくありがたいなと思うんですけれども。若い子たちのあいだからは、「できればSNSに載せるときは加工していただけたらうれしいです……!」といった声を耳にすることもありますね。 歌広場淳:なるほど。あとはなんでしょう。「差し入れもらえたらうれしいです!」とかは、思っても言わないか(笑)。 千葉:たとえば一緒にツーショットを撮ってもらった後に、「最高のブランカです!」といったお言葉をもらえたりしたときは、飛び上がるほどうれしいです(笑)。 歌広場淳:たしかに、感想を言葉にしてきちんと伝えるのは大切なことですね……! 絶対に忘れないようにしたいです。望月さんからは何かありますか? 望月:私はYouTubeで、バトルハブを使った対戦会の配信もやらせていただいています。イベントで写真を撮ってくださった方が後日、「一緒にゲームもやりに来ました!」と来てくださったりするとめっちゃうれしいなって思います! 歌広場淳:それは素敵ですね! イベントで写真を撮らせてもらった後に、望月さん本人とオンラインで手合わせしてもらえるだなんて、ファンの方にとっても忘れられない思い出になると思います。 ■もしも歌広場淳が『スト6』コスプレをするなら? 歌広場淳:僕はもっとおふたりと仲良くなりたいと思っているんですが、コスプレイヤーさんとマブダチレベルで仲良くなりたいと思ったら、やっぱり僕もコスプレをするのが近道だったりしますかね? 千葉:いいですね! 何か同じ作品のキャラクターどうしで、“あわせ”ができたりしたら。 歌広場淳:やはりそうですよね。参考までにお聞きしたいのですが、たとえば『スト6』だったら、僕は誰のコスプレをやったらいいと思います? 望月:ケンですね! 歌広場淳:やっぱり、僕自身が使っているキャラクターが一番しっくりくるわけですね。 望月:使い手としてのイメージももちろんありますし、たぶんポーズとかもとりやすいと思いますよ。 歌広場淳:ああ、たしかにそうですね! 勝利ポーズとかパッと頭に思い浮かびます。というかアイツ、勝利ポーズ簡単だわ(笑)。……でも、安心しました。もしも「ブランカ」とか言われたらどうしようかと。先日の生放送では、ハロウィンの仮装ということもあって、スタッフさんがあえてイメージから外れたキャラをインパクト重視で選んでくださっていた部分があったと思うんですけど。 こういうキャラ選びとその人自身のギャップの悩みって、コスプレイヤーさんにもあるんじゃないかなと思いました。たとえば格ゲーマーだと、『ストリートファイターV』のころにウメハラさんが使用キャラをリュウからガイルに変更したことで、ファンから「リュウを使い続けてほしかった!」って声が上がったことがあったんですよ。 おふたりも、「本当はこのキャラのコスプレをやりたいんだけど、周囲から求められているのはこのキャラなんだよな……」といった形で悩んだようなことはありますか? 千葉:正直ありますね(苦笑)。“あわせ”のお誘いをいただいた際に、お願いされたのが“巨漢の高校生キャラ”だったんですよ。 巨漢キャラは大好物なんですけど、この歳で“高校生キャラ”は大丈夫かなって。最終的にはテーピングでめちゃくちゃ顔をつってなんとかしたんですけれども。 歌広場淳:なるほど。“あわせ”となると、主催者の方から「このキャラクターをお願いします」と依頼される形になるんですね。そうなると、全体のバランスとかも考えなければならないでしょうし、なかなか大変そうですね。 千葉:そうですね。友だちの友だちくらいの方から、「はじめまして。〇〇の“あわせ”をやりたいと思っているんですが、△△できますか?」といった形でオファーをいただくこともあります。 歌広場淳:それでも、千葉さんとしては「ありがたいお誘いだし、やりたいな」って思ったわけですよね。 千葉:もちろんです。そういったオファーには、可能な限りお応えするようにしていますね。 歌広場淳:千葉さんのコスプレに対する真摯な姿勢が伝わってきます! 望月さんも似たような経験はありますか? 望月:私も、主催で集めたい子から「うかるはこのキャラが似合いそうだから、これをお願いできないかな」というお話をもらうことはよくあります。 自分が「やってみたい!」と思うキャラと、他人から見て「このキャラはうかるに似合いそう」と思うキャラのイメージって、どうしても違ってくるものだと思っているので。千葉さんと同じで、そこで嫌な気持ちになるようなことはないです。 主催してくれた子も、私がその作品を好きだと知ってくれていたから誘ってくれたわけですし、「似合いそう」とまで言ってもらえたのも素直にうれしかったので、「ぜひ用意したいな!」と思いましたね。 ■「あの人に〇〇のコスをやってほしい!」談義で大盛りあがり 歌広場淳:以前、プロゲーマーの板ザン(板橋ザンギエフ)さんと、『スト6』にコラボ参戦したテリーが「似てる!」と話題になりましたよね。 あの後、板ザンさんの所属チームであるDetonatioN FocusMeの生放送番組内で、実際にテリーのコスプレを披露してくれていましたが……。 おふたりのなかで、「プロゲーマーの〇〇さんにあのキャラのコスプレをやってみてほしい!」とパッと思い浮かぶような人はいますか? 千葉:それで言うと、どぐらさんにベガをやってもらいですね! 外見もちょっと似てる感じがするので。 歌広場淳:えぇっ、似てるかな……? どこがそう思います? 千葉:顔の輪郭がある程度似ているというか、十分寄せられる範囲だと思います。僕も過去にベガをやったことがあるんですけど、ベガの顔の輪郭が、どうしても僕では出せなかったんですよ。 ちなみに、まだそのときのベガの衣装は保管してあるので、機会があったらどぐらさんにお譲りしたいです(笑)。 歌広場淳:うわ、そう聞くとたしかにやってもらいたいなと思っちゃいますね。白のカラーコンタクトとか入れたら、マジでオーラ出そうな気がするもん。 望月:私はべてぃちゃんこと桃井ルナさんに、ジュリをやってもらいたいです。絶対に似合うと思います! 歌広場淳:同じく使用キャラつながりですけど、望月さんに挙げてもらってハッとしちゃいました。なんでその組み合わせが一番に思い浮かばなかったんだろうって。めちゃめちゃ似合いそうですよね。 ちなみに僕は、ネモさんによるベガのコスプレを見てみたいです。ベガというキャラクターとネモさんのラスボス感が合っていると思うんですよね。 千葉:ああー! ネモさんのベガコスもいいですね!! 望月:うんうん、わかるかも! 歌広場淳:あと性別が違っちゃうんですけど、ひかるくんにアキのコスプレをやってもらいたいです。ひかるくんのアキに対するキャラ愛はものすごく深いんだろうなと常々感じていますし、性別の壁なんて軽く飛び越えて似合っちゃうんじゃないかなと。 望月:若手の方々だったら、個人的には立川さんにエドをやってもらいたいです! 歌広場淳:たしかに、タチ(立川)の髪型だったらエドもすぐに再現できそうですね。むしろ、意識して寄せてるまであるのか……? 望月:以前、立川さんがまだ長髪だったころの配信中に、ご自身で「俺、エドと同じ髪型やし」みたいなことを言っていた記憶があるので。ぜひやってほしいですね。 ■今後コスプレしてみたいキャラクターは? 歌広場淳:今後、おふたりがコスプレをしてみたいキャラクターがいたら、この機会にぜひお聞きしたいです! 千葉:「餓狼伝説」シリーズのマルコ・ロドリゲスをやってみたいです。最新作の『餓狼伝説 City of the Wolves』にも登場が確定している、極限流空手使いの熱血漢なんですけど。 あと、それとは別に『鉄拳8』の三島平八はやるつもりで、絶賛製作中です。 歌広場淳:平八もようやく『鉄拳8』に参戦しましたからね。以前のときに苦労した思い出もあるけれど、そのときのノウハウもあるし、「やりたいんだからしょうがないよね!」といったところでしょうか。 望月:私にとっては格ゲーキャラも新たな挑戦でしたし、今後もいろいろなゲームのコスプレをやってみたいと思っています。格ゲーキャラで挙げるとしたら、エレナはやってみたいですね。 歌広場淳:そうか、エレナも今後『スト6』にプレイアブルキャラとして参戦予定ですもんね。 望月:そうなんですよ。あと、ちょうどいまリリーのOutfit3の衣装を作っているので、完成次第やりたいです。 歌広場淳:おお、リリーのOutfit3といえば、めちゃめちゃお腹があらわになっている衣装ですよね。 望月:そうですね(笑)。お腹を出す衣装も全然やりますよ! 前にジュリちゃんのOutfit3をやったのですが、あれもかなりお腹が出るやつだったので。 ただ、リリーの場合は肌面積が増える=ファンデーションを塗る範囲が広くなるぞってことなので、そこが大変ですね。衣装自体は白いので、衣装にファンデがつかないように工夫しないといけないです。 歌広場淳:難しい問題ですよね。衣装にファンデをつけない方法があったら僕も知りたいです……。どうしてもついちゃうんですよね。僕もヴィジュアル系をやっているから、肌の色を変えるときの苦労がなんとなくわかります。 ■「小物から再現」がコスプレの第一歩 歌広場淳:もしも、「最初からコスプレはハードルが高いと思っちゃうけれど、そんな自分でもどうにかしてキャラ愛を表現したい!」という悩みを抱えている方がいたとしたら、どんなことをオススメしますか? たとえば、僕のファンにリリー使いの女性がいるんですが、その方が頭だけリリーになった状態で対戦会に来てくれたことがあったんですよ。「ウィッグだけでも作ってみました!」的な感じで。 こういうことだって、「コスプレの第一歩だよ!」と背中を押してもらえたら心強く感じる人がいるかもしれませんし。最初はやはり、公式グッズとして出ているものを身につけるあたりが始めるのがいいんでしょうか? 望月:たしかに公式グッズを使うのは始めやすいし、いいと思いますよ! 歌広場淳:あとは、ブランカだったら首に黄色いスカーフを巻いてみるとかでも「この人はブランカが好きなんだな」ってわかったりしますよね。 千葉:いいですね。小物から再現して、ちょっとずつ寄せていくのはアリだと思います。 歌広場淳:ですよね! そうやって一歩を踏み出してみて、「もっと本格的にやってみたいな」「衣装を用意してみたいな」となったら、おふたりに聞けば全然教えますよという話でもすもんね。 千葉&望月:なんでも聞いてください! 歌広場淳:誘導尋問のようになってしまってすみません(笑)。でも、我々格ゲーマーも「このキャラの動かしかたが知りたいです」と聞かれたら全然教えますよ、って雰囲気があるので。 きっとコスプレイヤーさんたちも格ゲーマーのように、優しい人たちの集まりなんだろうなって勝手にシンパシーを感じてしまったんです。 ■コスプレイヤー業界にもプロライセンス制度が必要!? 歌広場淳:最後に、ちょっとお固めの質問で申し訳ないんですけれども、これからの格闘ゲーム業界に対して、コスプレイヤーさんの観点から望むことがあれば教えてください。 千葉:本当に個人的なお話なんですけど、最近の格ゲーキャラは顔立ちがお綺麗なキャラクターが増えている気がするので、ここらでひとつ原点回帰をして、男臭いキャラクターを増やしてもらいたいなと。それで人気が再認識されれば、僕としてはコスプレのレパートリーが増えるのでありがたいですね(笑)。 歌広場淳:最近の格ゲーには美形キャラが多すぎて、コスプレイヤー泣かせであると(笑)。なるほど、たしかにそうですよね。 望月:私としては、「これまでコスプレを見る機会がなかった」という方がコスプレに触れる機会がもっと増えるといいなと思います。 ゲーム業界も同じだと思うんですけど、ライト層の方が「これはなんだろう?」と一歩を踏み出すきっかけになるような場が多くなると、いまよりもっともっと盛り上がると思うので。 たとえばRAGEさんのように、ゲームのリアルイベントなどでコスプレイヤーさんが公式に起用される機会がもっと増えたらうれしいですね。 歌広場淳:おお! それってつまり、“プロコスプレイヤー”という話になってきますよね。ゲーマーがゲームを職業にしたいと思ってプロゲーマーという職業ができていったように、コスプレイヤー業界でも似たようなことが起きているってことなんでしょうか? 望月:いえ、プロゲーマー業界のようにプロライセンス制度があったりするわけではなくて、コスプレイヤーさんの中でも趣味として活動している方と、コスプレイヤーとしてお仕事をもらいたいと考えている方とでハッキリ別れているところはあると思うんですけれど。 ただ、私自身は企業所属のコスプレイヤーとしてお仕事をいただいている部分もあるので、そういう意味でゲーム業界を一緒に盛り上げるためにコスプレイヤーさんを使ってもらえたらうれしいなと思っていますね。 歌広場淳:なるほど! となるとやはり、今後はコスプレイヤー業界でもプロライセンス的なものが整備されていくかもしれないなと個人的には思います。というのも、今回おふたりのお話を聞いていて、コスプレイヤーさんの作品に対する愛であったり、コミュニティへの理解であったり、コスプレの技術的なノウハウだったりはものすごいなとあらためて感じたので。 たとえば企業さんがゲームイベントを盛り上げたいと考えたときに、有名なタレントさんやモデルさんにコスプレを依頼するという方法もあるとは思うんですけど。そこで千葉さんや望月さんのようなガチのコスプレイヤーさんを起用すれば、「ブランカのこのモーションってカワイイですよね!」とか、「実際にリリーで対戦してもらえませんか?」といった形で盛り上がれるわけじゃないですか。それってイベントを主催した会社さんにとっても、イベントを訪れたお客様にとってもうれしいこと――価値があることですよね。 だからこそ、企業としてよりオファーをしやすくなるひとつの基準や説得材料としてもそうだし、コスプレイヤーの方々が職業として活動しやすくなる環境を整えるという意味でも、“プロコスプレイヤー”という考えかたが方向性のひとつとしてアリなんじゃないかなと、勝手ながら思ってしまったんです。 最後に長くなってしまって申し訳ないのですが、そんなわけでおふたりの活躍には今後も注目していきたいと思います! イベントなどでお会いした際は、ぜひ一緒に写真をお願いします。あ、おふたりのコスプレが見事すぎてパッと見じゃ気付けない可能性もあるので、そのときは言っていただけたらうれしいです(笑)。
取材=片村光博/構成=山本雄太郎