【野菜作りの知識】土のpHって何? 適正じゃないと何が起こる?
『やさいの時間』12・1月号の「教えてこなくてすみません!藤田智の当たり前テクニック」では、毎号の栽培ページには載せきることができなかった野菜作りの知識やテクニックをご紹介。今更ですが、藤田先生にとっては当たり前すぎて教えそびれていたノウハウがたくさんあるんです......。読めば基礎力アップ間違いなしのテクニックをまとめました。 ここではその中から、土の「pH」について紹介します。
pHって何?
野菜を育てる土は、その野菜が好む環境にしたいものです。そのための大事なポイントの一つが、土のpH。その土の酸性・アルカリ性の強さを示す指数です。pHは0~14.0まであり、真ん中の7.0が中性。7.0より小さい数値ほど酸性が強く、7.0より大きい数値ほどアルカリ性が強くなります。土のpHは、場所によって、時間経過によって変わります。その要因の一つは雨。雨は弱酸性のため雨後には土のpHが変わり、雨の多い日本の土は酸性に傾きやすいのです。雨がアルカリ性の石灰分を流してしまうことも影響します。
土のpHが適正じゃないと何が起こる?
野菜にはそれぞれ育ちやすいpHがあります。多くの野菜はpH6.0~6.5ですが、サツマイモは酸性に強くpH5.0~6.0、ホウレンソウは酸性に弱くpH6.5~7.0が好みです。ホウレンソウは中央アジアの石灰岩の多い地域が原産地なので、その土質と似た土を好むのかもしれません。合わないpHの土で育てると、根から養分を吸いにくくなって生育不良を起こし、病気になる率も高まります。 pH6.5~7.0を好む長ネギをpH5.5の土で育てると発芽が悪くなりますし、pH5.0~5.5を好むジャガイモをpH7.0で育てたら、皮がカサカサになるそうか病の発生頻度が高くなります。だから栽培前にはpHを測り、土が育てる野菜に向いているかを確かめるのです。
土のpHを測る土壌酸度計。先端を土にさすだけで簡単に測れる。土が乾いているとうまく測れないので、事前に水をまき、約30分後に測ろう。
『やさいの時間』2023年12月・2024年1月号 「教えてこなくてすみません! 藤田智の当たり前テクニック」より