<一球入魂・’22センバツ木更津総合>第2部 支える人々/上 躍動感鍛える1時間 佐々木さん 笑顔でエアロビ指導 /千葉
冷たい空気が張り詰めた木更津市内のグラウンドに1月下旬、大きなスピーカーからアップテンポのダンスミュージックが流れる。新型コロナウイルスの感染対策で、部員47人はグラウンドの外野いっぱいに広がり、一斉に踊り出した。足踏みをしながら腕を振り、軽快に前後左右にジャンプする。 「腕と足をのばして」、「体を温めて」。部員たちに笑顔を絶やさず大きな声で見本を見せるのは、佐々木とし子さん(50)だ。部員たちは序盤、笑顔が見られるほど余裕があったが、途中からはオレンジ色のジャンパーを脱ぎ、「きつい……」との声が漏れた。1時間のプログラムが終わるころには、全員の息が上がり表情が険しくなっていた。 エアロビクスは音楽に合わせて走る、蹴るなどの動きを組み合わせた有酸素運動。スポーツ施設や公民館などで教室を開いているフリーのインストラクター、佐々木さんによるチームへの指導は2005年に始まった。 ウオーミングアップへの導入を決めたのは五島卓道監督で、「リズム感と躍動感を楽しく鍛えてほしい」との思いがあった。佐々木さんは木更津総合が03年に統合される前の、清和女子短大付属高校出身で、その縁で引き受けることになった。 プログラムは、佐々木さんがチームのために動きや曲を特別に構成したもの。ボールを投げたり走ったりするために、上半身や股関節周りの可動域を広げ、下半身の筋肉や持久力がつくように組まれている。例年1、2月の日曜日に計5回行われてきたが、21年は新型コロナの影響で実施されず、1、2年生にとっては初体験となった。 毎年夏や秋の県大会を球場で応援してきた佐々木さんは、「木更津総合らしい野球を全国で披露して、一戦必勝で勝ち進んでほしい」とエールを送る。【長沼辰哉】