“ミスター・ドラゴンフライズ”朝山正悟がホームにお別れ…華麗な3ポイントで締めくくる
若手の活躍でCS出場獲得…朝山のラストシーズンは終わらない
朝山の広島ラストゲームでは、そのプレー姿を見て育った若手が躍動した。2年目でルーキーシーズンの中村拓人は、「小さい頃から見ていた選手なので、キャリアの中で同じコートで一緒にバスケができて本当にうれしいです。最後の場面で3ポイントを決められるのは、見ていて感動しました」と大先輩の勇姿を見届けた。 そんな中村は第1戦で14得点4スティール、第2戦でキャリアハイの20得点5スティールを記録するなど攻守で大きな存在感を発揮。特に今季培ってきた自信を表すような強気が光った。これまで琉球の岸本隆一など様々な選手を相手に戦い抜いた中村は、「対戦する相手は素晴らしい選手ですけど、決して自分も負けると思っていないし、どんどん挑戦したいと思っているので、強い気持ちを持ってプレーできたと思う」と胸を張った。 苦しい時間帯で決め切る3ポイントシュートは頼もしさが際立った。第2戦後、「これまで決めないと行けない場面が何個かあって悔しい気持ちがあった。とにかく強い気持ちを持って打つことでリズムができてくると思っていたので、それをシーズン終盤で出せたのはよかったです」と手応えを口にした。 チームを引っ張ってきた寺嶋良が3月に負傷離脱するアクシデントもあったが、代わって先発で出続けた中村が台頭。朝山が「それぞれが自己犠牲(の精神)を持って全員でいろんな状況を乗り越えられたのが大きかった」と誇らしそうに話したように、チーム一丸でCS進出を勝ち取った。もちろん、朝山の引退もチームに一体感をもたらした要因の一つだ。中村がその思いを口にする。 「少しでも長く朝さんと一緒にバスケットをしたい気持ちがチームの中でも強くあった。『朝さんのために』っていう気持ちがあってチーム力も上がってきたと思う」 広島はホーム最終戦を朝山の華麗な3ポイントシュートで締めくくった。次はチーム一丸で進んだCSの舞台。朝山のラストシーズンはまだ終わらない。
BASKETBALL KING