小池人気に焦り…寝返り・改名続く都議会会派 現在の勢力はどうなっている?
新年度予算などを審議する都議会が22日開会しました。豊洲市場移転の経緯をめぐる問題で強い調査権限を持つ百条委員会が設置されるなど、注目度の高い都議会ですが、都議でつくる会派の離脱や合流、改名が相次いでいます。25日には小池百合子知事と対立する自民党都連の実力者も不出馬を表明するなど、7月2日投開票の都議選を見据えた動きがめまぐるしくなってきました。小池知事就任後の都議会会派の動きを整理します。
会派の所属人数をもとに質問時間など割り振り
そもそも「会派」とはどんなものなのでしょうか。 会派とは、議会で政治上の政策・主義・目的などを共有する議員が集まった団体のことです。国政では衆院、参院それぞれに院内会派があり、2人以上の議員で結成しています。退会や議員辞職等で会派所属議員が1人となったときは、その会派は消滅になります。結成や名称変更などいずれも議長に届け出が必要です。 会派はよく政党と混同されやすいですが、どこが異なるのでしょうか。 最も違う点は、政党の構成員は議員とは限らないのに対し、会派は当選した議員が議会内に限って活動します。衆院・参院それぞれ会派の所属人数に応じて、各委員会の人数割り振りや本会議の発言時間など議会運営に関する配分をしています(国会法第42条、第46条、第54条の3)。そのため、会派の人数を増やすため、複数の政党や無所属議員同士が組み、新会派を設けることもしばしばあります。 地方議会も同様な方法で会派を設けています。ただ、国政の院内会派の構成はほぼ政党に近いですが、地方議会では地域政党の会派があったり、国政とは異なる政党の議員が連携して会派を組む、ということもみられます。
高い小池人気に支持会派が増加 民進は「改革」に改名
都議会はどのような会派構成になっているのでしょう。 都議会の定数は127人です。昨年8月に小池知事が当選したとき、「都議会自民党」60人、「都議会公明党」22人、「共産党都議会議員団」17人、旧民主党系でつくる「都議会民進党」14人、旧維新の党の「民進党都議団」4人、「かがやけTokyo」3人、「都議会生活者ネットワーク」3人、無所属3人(「深呼吸のできる東京」1人、「東京みんなの改革」1人、「日本維新の会都議会」1人)になっていました。小池知事は所属する自民党から公認・推薦が得られないまま、出馬した経緯から、第1会派である都議会自民党との関係が悪化したままの船出となり、当時知事を支援していたのはかがやけTokyoのみでした。 しかし「東京大改革」を掲げ、都民から高い人気を集める小池知事に対し、知事とかがやけTokyo以外の会派の距離も変わり始めます。昨年12月、都議会公明党は推し進めようとした議員報酬削減をめぐり、反対する都議会自民党と対立。長年続けてきた連立解消を宣言し、小池知事支持に回ります。さらに年末には、都議会自民党からも3議員が寝返り、新たに「新風自民党」会派発足を表明、知事側へ移りました。 年が明けると動きはさらに活発になります。1月23日には都知事選から知事を支援してきたかがやけTokyo3人が、小池知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」に参加、会派名を「都民ファーストの会都議団」に改めます。2月14日には、7月の都議選で小池知事と連携を進めたい都議会民進党と民進党都議団が組み、民進の名をはずした「東京改革議員団」を届け出、共産党都議会議員団を上回る都議会3番目の会派を発足させました。 さらに同20日には、新風自民党を結成した3議員のうち、2議員が自民党都連に離党届を提出。都民ファーストの会に合流しています。