李彦周議員との主なやり取りは以下の通り。

――3日の「非常戒厳」宣布当日の対応は

「寝る準備をしていて、テレビのニュースで一報を知った。事前の情報は一切なかった。ソウル郊外の自宅から国会まで1時間ほどかかり、到着するとすでに武装警察などに出入りが規制されている状態だった」

「武装警察とのもみ合いの隙をついて中に潜り込んだ直後、軍人を乗せたヘリコプターが到着する音が聞こえた。もう少し遅れれば国会に入れなかっただろうし、実際にそうだった野党議員もいる」

――与党側は混乱を最少化するため弾劾を回避すべきだとの立場だ

「ただの時間稼ぎだろう。当初は1年以上持ちこたえ、李（在明・共に民主党）代表の有罪判決が確定するのを待つ戦略だったようだが、もはや現実的ではない。退陣まで2、3カ月時間を稼ぎ、次期大統領選を少しでも有利に展開させる戦略のようだ」

「しかし、そもそも内乱事件を起こした大統領を職務停止させず、放置したまま退陣手続きを進めるというのは、憲法上不可能といえる。軍統帥権や外交の問題を不安定なまま放置するのは非常に危険だ」

――国会の多数を占める野党側も事態収拾の責任感に欠けていないか

「これまでは尹大統領が2度目の戒厳宣布を行う可能性に備えるのが優先だったが、今後は国防や外交、経済政策で空白を作らないよう対策に積極的に取り組む。10日に党内で特別委員会を発足させ、李代表は政府・与党との協議体を作ることを提案したところだ」

――日本では尹錫悦政権の退陣が、日韓関係や日米韓の安全保障協力に影響するとの懸念が強い

「戒厳宣布を巡っては尹大統領が米国側にも事前通知していなかったことが明らかになったが、民主党指導部は今回の事態について、米政権側と非常に緊密に対話している。韓日両国間の歴史問題で、尹大統領があまりにも一方的な譲歩をしたとして、共に民主党が批判してきたことは事実だ。しかし、われわれは韓米同盟、韓日関係、韓米日協力の重要性を十分に認識している」