<大塚剛央>アニメ「薬屋のひとりごと」インタビュー 壬氏の難しさ 第2期は違う顔も
◇徐々に壬氏がなじんでいった
「薬屋のひとりごと」は、細部までこだわり抜いた映像も大きな魅力となっている。第1期で監督を務め、第2期では総監督を務めるのは長沼範裕さんだ。現場での長沼さんのディレクションをきっかけに壬氏のキャラクターをつかんでいったこともあったという。
「序盤の第5、6話辺りで、壬氏が子供っぽい一面を見せるシーンがあったのですが、『もっとあからさまに見せてしまっていい』というディレクションがあり、気付きがありました。壬氏は、ある意味で未完成なところもあると思うんです。子供っぽいところが意図せずに出てくることもあって。自分はこういう人間だという確固たるものを持っているけど、ブレないかと言うと、そんなことはなくて、周りに影響されて変わっていくところもある。ギャップがあってもいいのかな?とも思ったりします」
壬氏は美しく、聡明で完璧にも見える。チャーミングなところがあれば、謎も多く、そこが大きな魅力となっている。原作では“甘い蜂蜜のような声”とも表現されている。
「“蜂蜜のような声”とは何だろう?とも考えますが、あまり考えすぎないようにしています。完璧に見えている部分もありますが、蓋を開けてみれば、そんなこともなかったりしますし、そこが難しいです。最初に自分が思っていた以上に、さまざまな表情を見せます。子供っぽいところがあれば、自分の魅力を利用することもあり、少し芝居がかっているようなところもあります。第1期が2クールありましたし、長く演じる中で、徐々に自分になじんでいったところもあります」
第2期では、第1期とは違う顔も見せるという。
「これからもっといろいろな表情を見せますし、新しい壬氏も見られると思います。そこを見据えて演じていこうとしています。長沼総監督はしっかりここを見せるというテーマを持っている方なので、僕もブレずに演じることができています。第2期は、PVを見ても分かるように、シリアルで少しダークな雰囲気も漂ってきます。完成した映像を見るのが、僕自身も楽しみにしています」
“新しい壬氏”とは……。壬氏の謎が明かされるのか? 第2期の展開に注目してほしい。