<大塚剛央>アニメ「薬屋のひとりごと」インタビュー 壬氏の難しさ 第2期は違う顔も
◇名場面の裏側 悠木碧のすごさ
収録は「ほどよい緊張感」があるという。
「収録が始まると、ピリッとして、皆さんの空気感が出来上がっていて、そういう緊張感があって、心地いいなと思いながら演じています。テストが終わり、本番までに時間があるのですが、その時間は皆さんでワイワイしていますし、メリハリのある刺激的な現場です」
第1期は、壬氏と羅漢が対峙するシーンなど数々の名場面があった。羅漢は、軍師などと呼ばれる実力者だが、うさんくさく、理解不能な行動もとる。猫猫の実の父でもある。
「羅漢役の桐本(拓哉)さんと二人きりで収録したのですが、桐本さんの作られる空気感、緊張感を肌で感じていました。印象に残っているシーンの一つです。事前にどういうプランでいこうか?と考えて収録に臨みますが、実際に一緒に収録して、羅漢の言葉を受けて、自然と壬氏が返しているようシーンもあり現場で出来上がっていくものがありました」
猫猫役の悠木碧さんもハマり役と話題になっている。媚びない猫猫は、壬氏を前にしてもブレない。壬氏は、そんな猫猫に対して素を見せることもある。
「基本的に悠木さんと一緒に収録することができました。僕がこう言うのもなんですが、悠木さんは完璧なんです。オーダーに対するレスポンスもそうですし、かゆいところに絶対に手が届くようなお芝居です。モノローグからセリフにつながる時、現場によっては別々に収録することもあると思いますが、基本的にそのまま収録するんです。猫猫の思考のままに言葉が出てきて、言葉の立てどころなど細かいところの一つ一つが、これこれ!となるんです。だから、僕もその空気に乗って演じることができています。悠木さんもそうですが、役者さんの一人一人が役そのものなんです。基本的に猫猫がずっとしゃべっていて、空気を作ってくれるので、自然と言葉が出てきます。僕自身、あまり作りすぎずに、現場に行っています。集中力を途切れさせないことが大事な現場で、そこが面白いところです。『薬屋のひとりごと』は会話劇ですし、一緒に収録できることがとてもうれしいです」