夫婦を襲った男、公開手配されるも…タクシーに乗って広範囲を移動 さらにJR大宮駅から新幹線で遠くへ 途中また事件を起こしたか 逮捕の際、持っていたのはスマホと現金1万円
埼玉県所沢市の住宅で1日未明、男4人が押し入り現金を奪った強盗致傷事件で、県警は7日夜、住居侵入と強盗致傷の疑いで、実行役として公開手配していた住居、職業不詳の男(24)を逮捕した。7日午後、新潟県内にいたところを確保されていた。同事件の実行役は全員逮捕された。男は特殊詐欺事件にも関与した疑いがあり、県警が捜査している。 割られた窓ガラスの写真 ドアノブや鍵穴の左脇に手が入りそうな穴 蜘蛛の巣状に広がった亀裂、迫力物語る
県警によると、男は7日午後4時ごろ、新潟県内で発生した特殊詐欺事件に関与したとして、同県柏崎市内で新潟県警の警察官の職務質問を受け、確保された。自身で名乗り、埼玉県警が身分確認を行った上で逮捕した。逮捕時は現金1万円や複数の衣類、スマートフォンを所持していた。 所沢の事件の犯行後は、車に乗り東京都小平市のJR新小平駅付近まで車で移動。タクシーに乗車し、午前3時過ぎには東京都東村山市内の防犯カメラに写っているのが確認された。その後は再びタクシーで所沢市を経由して狭山市や三郷市など県内を転々とし、JR大宮駅から新幹線に乗り仙台市などへ逃走、北海道に入り、新潟県へ移動していた。捜査関係者によると、事件同日に三郷市内で特殊詐欺事件が発生しており、防犯カメラの映像などから、男が詐欺事件に関与したとみられるという。 逮捕容疑は他の実行役と共謀し、1日午前2時5分ごろ、住宅の勝手口の窓を割って侵入。家人の男性=当時(85)=と妻=当時(83)=に「お金早くしろ」などと脅迫し、粘着テープのようなもので緊縛した上で刃物で切り付けて現金約8万円を奪った疑い。
所沢の事件では、実行役として強盗致傷などの容疑で、25~43歳の男3人が逮捕され、「闇バイトに応募した」と供述している。 県警は共犯事件のため、男の認否を明らかにしていないが、捜査関係者によると、所沢の事件について「4人でガラスを割って入った。生活がぎりぎりで、生活費が欲しくてやった」と容疑を認めている。前日に起きた東京都国分寺市の強盗事件についても犯行をほのめかしており、所沢市へ向かった理由について「(国分寺の事件の)報酬を受け取る約束で行ったが、強盗を指示されて断れなかった」と供述しているという。 国分寺の事件のほか、9月に発生した、さいたま市西区の住宅強盗事件との関連について、これまでに逮捕された容疑者のスマートフォンの解析などから秘匿性の高い通信アプリの同一アカウントから指示があったことが分かっており、県警などは指示役や共犯者の捜査を進めている。