「蓮舫氏は盛り上がったのになぜ?」「石丸氏は若者頼りではなかった?」「小池氏の強さの秘訣」人流データで見えた都知事選候補の本当の「集客力」
30代、40代を増やしていた小池氏の強さ
さて、選挙結果では圧倒的な強さを見せた小池氏ですが、街頭演説でも多くの聴衆を集めていたのでしょうか。 人流データは、他の2人と比べると必ずしも圧倒的に人流を増やしていたわけではないものの、強さの一端を浮かび上がらせていました。 小池氏は最終日に銀座4丁目の交差点と池袋駅の西口で演説をしています。確かに着実に聴衆は集まっていますが、普段の1.8倍と1.5倍。蓮舫氏や石丸氏のように、何倍もの人流を招いたわけではないようです。 ただし、もともと人流が多い場所を選んでいるので、数字としては1000人超の人流の増加は起きていて、着実に人を集めていることはうかがえます。特に池袋では、雨が降っている時間帯でした。 興味深いのは、他の2人と違って幅広く聴衆を集めていたことがうかがえる点です。銀座では30代が最も増え、40代も増えていました。政策として強調していた「子育て世代への支援」とは関係があるのでしょうか。 また、この会場では一部の聴衆から「やめろコール」が上がっていましたが、映像を見る限りコールをしている人たちの年齢層は比較的高いとみられるので、そういった人たちが「押し寄せた」というほどの規模ではなく、それ以外の方が多かったこともうかがえます。
池袋では若年層が若干割合を減らしていますが、どの世代もほぼ同じような割合になっていることが見て取れます。万遍なく人を集めたということでしょうか。
演説のやり方にも戦術の差が
人流の増減を時間で見ていくと、興味深いことが見えてきました。 典型的なのが石丸氏の演説データです。多くの人が演説が始まる前から訪れて、聞いていることがうかがえます。これもSNSでの予告の効果でしょうか。
同じようなことは小池氏でも見られました。最後の池袋での演説は、雨のせいかここまではっきりと見えていませんが、銀座での演説では、やはり始まる前から待ち構えている人がいることをうかがわせています。