「当たり前に感謝」野球でまちを元気に!地域おこし軍団 門前高校野球部のいま
輪島市外の出身で、寮生活を送る2人の野球部員。 先月29日から寮に戻り午前中は学校に通い、午後からは、町の体育館で支援物資の仕分けや・運搬などのボランティアを行っています。 門前高校野球部2年・木下晴仁選手 「出身は富来なんですけど、被害は自分のところは少なくて、最初の2週間か3週間くらいで片付けとか終わらせて、時間空いたので門前に来てボランティアしたいなと思って」 門前高校野球部2年・高橋児依選手 「地震があったから落ちるんじゃなくてより頑張る。よりチームで一丸となって甲子園に向けて頑張っていけたら」 ■願うは まちの復興と野球部の再起 地元の飲食店の店主・安田俊英さんは、これまで野球部員の食事をサポートしてきました。 総持寺通り商店街にある自身の店も倒壊し、営業再開のめどはたっていませんが、飲食店仲間と炊き出しをしながら、まちの復興と野球部の再起を願っています。 食事処縁・安田俊英さん 「心強い人たちの集まりができたのできたので、前を向くきっかけになる。まずは子どもたちが門前のグラウンドで練習するのを見たい。結果はどうでもいい。どれだけ門前に来て燃焼してくれたか。」 ■門前高校野球部のアドバイザー 山下智茂さんは… 星稜高校元野球部監督で、おととしから門前高校野球部のアドバイザーを務める山下智茂さん。ノックの音がグラウンドに響くのはおよそ3か月ぶりです 山下さん 「グラウンドでやるのは(今年)初めて。いつも室内でやっているので、きょうはあおぞらの下で生徒は喜んでいるんじゃないですか」 金沢出身の選手たちが中心となって毎週末、金沢市民野球場で自主トレーニングに励んでいます。 山下さん 「地震のわりに明るい。好きな野球をやるときはやっぱりみんな元気いい。」 集まれるのは部員40人のうち15人ほどで、練習着がない生徒も多く、ジャージなどを着ている選手の姿も…。奥能登出身の塩士暖選手と埒光平選手はどちらも自宅が半壊。現在は、金沢の後輩部員の家や兄弟の家に身を寄せています。
塩士暖選手 「家族にも金沢にこうやって一人で送り出してもらって、家のことも心配ですが、1日1日大切に、野球以外のことも感謝の気持ちをもってやっていきたい。」 埒光平選手 「自分が暮らしてた町が、跡形もないくらいに崩れてたりしててすごくショックでした。いままで当たり前のように野球してたんですけど、この地震で当たり前じゃないということに気づいたというか感じたので、本当にもう結果で恩返ししたいなという気持ち」 野球で恩返しを。 震災に負けない「地域おこし軍団」は地元の人の期待を背に、再び白球を追いかけます。
北陸放送