【イマドキ留学体験記】「警察官になりたい」から始まったアジア2カ国留学 海外体験で広がる将来の選択肢
グローバル化の拡大や新型コロナの流行を経て、留学の形も変わってきています。世界各国に留学した学生たちが、かかった費用やその後の進路も含め、経験をつづります。今回は、「トビタテ!留学JAPAN」の奨学金を得て昨夏、シンガポールとインドネシアに留学した、私立西遠女子学園高校3年(静岡県浜松市)の角谷るいさんです。
シンガポールに2週間、インドネシアに10日間留学しました。初めてのことをするのが苦手な私にとって、この留学をすること自体とても大きな出来事でした。留学のきっかけは学校の先生が言った「トビタテでは誰でも留学できます」という言葉です。「私も対象になるのかな?」と思ったところから留学計画が始まりました。 私は警察官になって、子どもの犯罪を止めたり、減らしたりできるようになりたいと思っています。その将来の夢のために視野を広げる必要があると感じていました。海外では日本とは子どもを取り巻く環境が異なり、犯罪率も高いです。そうした地域に身を置き、改めて日本での子どもを取り巻く環境整備をしていきたいと考えました。 そのために様々な施設に交渉してみましたが、ほとんど相手にされず簡単に了承を得ることはできませんでした。個人で準備する大変さを味わいましたが、どうにかシンガポールで現地の人たちにインタビューができ、インドネシアでは学校や孤児院を訪問したり現地の大学生に話を聞いたりする機会が得られました。 シンガポールでは語学学校に通いつつホームステイをして過ごしました。学校がない日には事前にアポを取った現地の元教師や警察官の方に話を伺いに行ったり、シンガポールの社会の変化や政策を知るために国立博物館などに行って展示物の隅々まで見てまわったりしました。 私は、一度学校行事のオーストラリア研修旅行でホームステイを経験していました。その時のホームステイは友達も一緒でとても楽しい思い出があり、シンガポールでのホームステイも楽しみにしていました。ですが、実際に行ってみるとホストファミリーは結構ドライ。ご飯も「置いておくから勝手に食べて」という日が多く、とてもさみしいものでした。日本での生活とは全く違う環境にホームシック気味になりましたが、同じ日に来たルームメートのおかげでずっと笑顔で過ごすことができました。 インドネシアでは私の学校の卒業生の家でホームステイをしつつ、現地の中高一貫校や大学、孤児院を訪問しました。また、自分で作ったアンケートをすることができました。アンケートを作っていく上で、宗教観や倫理上などの都合で何度も試行錯誤しました。ですが、作りながら今まで知ることがなかったことを学び考えるきっかけになりました。自分で感じたこと聞いたことだけでなく、数字でも成果を示すことができたのはとても大きな収穫になったと思います。 様々な場所を訪問することはとても緊張しましたが、インドネシアの人はみんなフレンドリーでインドネシア語がわからない私に英語で話しかけてくれるなど親切な人が多かったです。 また、シンガポールは核家族や地域の交流の希薄化など日本に少し似ていると感じる部分がありました。それに対してインドネシアは社会、教育など何もかもが違い、カルチャーショックを受けました。同時に語学力や宗教観を知る必要など新たな課題を見つけることもできました。今回の留学では、元々の目的とともに人とのつながりの大切さを学びました。どちらの国もとても充実した、刺激的な日々でした。