飲酒運転の車にひき逃げされ、死亡した20歳の大学生、水谷歌乃さん。車を運転していた男に言い渡された判決は、懲役9年でした。 【写真を見る】“飲酒ひき逃げ”で女子大学生死亡 成人式目前の悲劇… 遺族「就職 結婚 輝く未来を用意してあげたかった」男に懲役9年の判決 「就職して、結婚して、光り輝く未来を用意してあげたかった」とこれまでの取材で話していた歌乃さんの父親。 去年11月、アルバイトを終え、自宅近くの横断歩道を渡っていた歌乃さん。酒を飲み、赤信号を無視して走ってきたワンボックスカーにひき逃げされ、命を落としました。 （記者）「現場から自宅までは約300メートル。あと少しで家に帰れるはずでした」 数日後には好きだったアイドルのコンサート、2か月後には成人式も控えていました。 車を運転していたのは、白坂翔被告（23）。酒を飲んでひき逃げしたことは裁判で認める一方、「一つ手前の交差点までは記憶がありました」などと起訴内容の一部を否認していました。 これまでの裁判で「本当は被告を死刑にしてほしい」と話していた歌乃さんの父親。 検察側の求刑は懲役13年。これに対し名古屋地方裁判所は13日、懲役9年を言い渡しました。 「飲酒して寝落ちした挙句、赤信号を無視した運転行為の危険性は明らか」などと指摘する一方、アルコール濃度がそこまで高くなかったことなどを踏まえた判決でした。 裁判長から「これまでの言動を見る限り、あなたの態度には疑問が残る」と声をかけられた白坂被告。視線を落としてうなずき、法廷を後にしました。 判決を聞いた歌乃さんの父親は「悲しみを心にしまっている」と話しました。