大島紬、身近に感じて 「郷還り展」始まる 龍郷町の金井工芸
着物生地や伝統の染め物で洋服などを制作する、作家の沙弥糸(さみいと)さんの展示会「郷還(さとがえ)り展」が2日、鹿児島県龍郷町戸口の金井工芸内ギャラリーで始まる。本場奄美大島紬を使った作品40点以上を展示・販売する。16日まで。 沙弥糸さんは宮崎県えびの市出身。着付け講師を経て10年前から制作活動を始めた。世代を超えて着用できる大島紬の魅力に触れ、何度も来島し作品を制作。展示会は2021年から毎年開催し4回目。 大島紬の着物を解いて作ったワンピースや羽織り、綿布を泥や藍で染めて仕立てた上着やズボン、布をつなぎ合わせて作る韓国の伝統工芸「ポジャギ」の技法を用いたタペストリーなど、多彩な作品を展示・販売する。 こだわりは着心地の良さや洗濯のしやすさ、季節や性別・年齢を問わず着られる形など。沙弥糸さんがデザインし、金井工芸の金井志人さんが染めて仕上げたコラボ作品もある。 沙弥糸さんは「着物を着る機会は少なくても、普段着として大島紬に親しんでもらえたら。奄美の文化を感じてほしい」と来場を呼び掛けている。
奄美の南海日日新聞