「親子に重大な不利益」高裁が鈴鹿市に指摘 車の運転記録めぐり生活保護費支給の差し止めに「違法」
メ~テレ(名古屋テレビ)
車の利用をめぐる行政指導に従わないことを理由に生活保護の支給を止めた判断の違法性が争われた裁判の控訴審で、名古屋高裁は1審に続いて「違法」との判断を示しました。 「5年に及ぶ本当に辛い日々がこうして、きょう、判決が出たってことは、皆さんのおかげだと感謝しております」(原告の女性) 訴状などによりますと、三重県鈴鹿市の女性(82)と次男(56)は病気を抱えて2019年から生活保護を受けていました。 市は次男の通院に限って車の保有と利用を認めましたが、運転経路や用件などの記録を出すよう要求。 その後、親子が記録を出さなかったため、おととし9月に支給を取り消す処分を出していました。 これに対して親子は、運転記録の提出は憲法が保障する「移動の自由」に違反するとして、処分取り消しと損害賠償を求めて裁判を起こしました。 3月に津地裁であった1審判決は、市の対応は違法だとして停止処分の取り消しと20万円の支払いを市に命じ、判決を不服とした市が控訴していました。 30日の控訴審判決で名古屋高裁は「停止処分は親子に重大な不利益を生じさせた」「正確な運転記録を指示する必要性は低かった」などと指摘。 1審判決と同様に停止処分は「違法」だとして、取り消しとあわせて11万円の支払いを命じました。 鈴鹿市は「主張が認められなかったことは残念」などとするコメントを出しています。