気候変動活動家は「現実を理解していない」-KKR創業者クラビス氏
(ブルームバーグ): プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社KKRの共同創業者ヘンリー・クラビス氏は10日、同社の化石燃料への投資を批判しようとスピーチを中断させた気候変動活動家について、クリーンエネルギーへの転換の難しさを過小評価していると反論した。
クラビス氏がモントリオール会議のパネル討論会に登壇しスピーチを行っていた時、複数の気候変動活動家が壇上に歩み出て、「カナダを破壊している 」と同氏を非難した。KKRは、物議を醸すカナダ西部のパイプライン・プロジェクト、コースタル・ガスリンクの株式を所有する。カナダのブリティッシュコロンビア州沿岸の巨大な液化天然ガス施設にガスを供給するプロジェクトだ。
活動家たちが会場から追い出された後、クラビス氏(80)は「彼らは現実を理解していない。ボタン一つで炭化水素をなくしたいと望んでいるのだ」と語り、2050年までに世界経済をネットゼロ・エミッション状態に移行させるには、200兆ドル(約3京1446兆円)以上の投資が必要だと指摘した。
気候変動が深刻な問題であり、大幅な対策が必要であることは認めつつも、「どうすればそこに到達できるのか、私にはよく分からないし、われわれが完全にその域に達することはないと思う」と同氏は語った。
昨年、活動家たちはニューヨーク近代美術館(MoMA)に抗議し、クラビス氏と同氏の妻でMoMA理事長を務めるマリージョゼ・クラビス氏との関係を断ち切るよう求めた。
この日はまた、ニューヨークのシティグループ本社前で20人以上の活動家らが逮捕された。活動家たちは同銀に対し数カ月にわたる抗議活動の開始を通告している。
原題:‘They Don’t Understand’: Kravis Rebukes Climate Protesters(抜粋)
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Stephanie Hughes