ヴィゴ・モーテンセンのキャリア初期の姿も 『柔らかい殻』予告編&場面写真公開
10月4日よりシネマート新宿ほかにてリバイバル上映される『柔らかい殻 デジタルリマスター版』の予告編と場面写真が公開された。 【写真】『柔らかい殻 デジタルリマスター版』場面写真 本作は、フィリップ・リドリーが自ら脚本も手がけた初監督作品。イギリス本国では1990年に公開され、ロカルノ映画祭で銀豹賞を含む5つの賞を受賞したほか、シッチェス国際ファンタスティック映画祭では最優秀女優賞、最優秀撮影賞を受賞。日本でも1992年に公開された。 主人公セスを演じたのは、当時9歳のジェレミー・クーパー。セスの兄を、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどのヴィゴ・モーテンセン、セスが吸血鬼だと疑う一人暮らしのイギリス人女性ドルフィンを、『アリス・イン・ワンダーランド』などのリンジー・ダンカンが演じた。 1950年代のアイダホ州、小麦畑が広がる田舎町。気弱な父と厳しい母と3人で暮らすセス(ジェレミー・クーパー)はごく普通のやんちゃな男の子。ある日、セスは友人のイーブンとキムと共に孤独なイギリス人女性ドルフィン(リンジー・ダンカン)に仕掛けたいたずらがバレ、母に謝りに行かされる。ドルフィンの家は捕鯨の銛や骨で埋め尽くされており、彼女が語る亡き夫への愛や悲しみの話は衝撃的で、父が読んでいた吸血鬼小説の絵に彼女がそっくりだったことから、セスはドルフィンが吸血鬼に違いないと思い込んだ。そんなある日、行方不明になったイーブンの死体が井戸で発見されるという事件が起こる。セスはドルフィンを疑うが、自分の父に容疑がかかり、悲劇が連鎖していく。 デジタルリマスター版は、2014年にリドリー監督の監修のもとリマスタリングされた。 公開された予告編は、鳥の鳴き真似をする黒装束の双子という奇妙な登場人物の姿からスタート。ニック・ビキャットによる壮大な音楽にのせて映し出される黄金色の麦畑と青空のコントラスト、畑の中を走る少年、道の向こうに佇む一軒の家。その光景は、児童書の挿絵のようにノスタルジックでありながらどこか不穏で閉塞感もただよう。主人公の少年・セス(ジェレミー・クーパー)に「私は200歳よ」と告げる未亡人・ドルフィン(リンジー・ダンカン)は、老いているようにも若々しくも見えミステリアスそのもの。そのほかにも、ガソリンをかぶる男や燃え広がる家、セスに「お前の頭をかち割ってやる」「罪とお言い」とただならぬ様子で詰め寄る大人たち、顔面いっぱいに血を浴びたドルフィンなど異様なシーンが次々と映し出され、最後はセスの絶叫で締めくくられている。さらにセスの兄を演じるキャリア初期のモーテンセンの姿も確認できる。 あわせて、赤ん坊のミイラと思しきものと寝転ぶセスや、骨や小瓶がならぶ不気味な部屋に座るドルフィンなど、セスの見ている風景を切り取った幻想的で美しくも禍々しいシーンを捉えた場面写真も公開された。 また、本作の全国共通特別鑑賞券の発売も開始。特典として、「悪夢の思い出」カード2種がプレゼントされる。
リアルサウンド編集部