【名手の名言】ニック・ファルド「ゴルフに完璧を求めてはいけない」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。今回はマスターズ3勝などメジャー6勝を挙げているレジェンド、ニック・ファルドの言葉をご紹介!
「ゴルフに完璧を求めてはいけない」
全盛期、完璧主義者といわれたニック・ファルド。どんなスーパーショットを放ってもニコリともしないし、冷静沈着。 試合会場でもラウンドが終わると練習場で最後まで黙々とボールを打ち続ける。そのゴルフスタイルは、完璧なスウィング、ショットを求めていると誰もに思わせた。 しかし、そんな風評を覆すような言葉を吐いたのは、1999年に日本でのトーナメントに出場するため来日したときだった。 「苦しそうに追い求めているってイメージがあるみたいだね。でも、そうじゃないんだ。ただゴルフが心から好きなだけ。ボクは時間が許すかぎり、毎日コースに出るけど、今まで一度だって飽きたことはない。本当にゴルフが好きでしょうがないんだ」 また、こうも語っている。 「完璧なスウィングが、完璧なショットを生むわけじゃない。まして完璧なショットが完璧なスコアを生むわけじゃない。そこには常に誤差があるものだからね。しかしだからこそゴルフは面白いし、難しい」 感情を表に出さないことについては 「仕事場で白い歯を見せるのは、自分のポリシーに反するからね。プロスポーツ選手は、普通の技を、さらりとやってのけるからこそ評価されるものだよ。黙々と自分の仕事をこなす、そうでなくちゃね」 マスターズ3勝、全英オープン3勝のレジェンドの言葉には重みがある。 ■ニック・ファルド(1957~) 英国・イングランド生まれ。14歳の時、J・ニクラスがマスターズで活躍する姿を見てゴルフを始める。76年プロ入りし、欧州で転戦後、81年よりPGAツアー参戦。名伯楽D・レッドベターのアドバイスを受けながら、PGAツアー9勝。その中には全英オープン(87、90、92年)、マスターズ(89、90、96年)のメジャー6勝が含まれる。96年のマスターズでは、6打差あったG・ノーマンを逆転し優勝した。97年世界ゴルフ殿堂入り。