【高校野球】仙台南の辻健太が勝利呼び込む先制打…昨秋腰椎分離症に悩むも冬場トレの成果発揮…春季宮城県大会
◇高校野球春季宮城県大会 ▽1回戦 仙台三1-4仙台南(17日・仙台市民) 宮城1回戦では、仙台南が仙台三に4―1で勝利。背番号18の辻健太左翼手(2年)が4打数2安打2打点と好機を生かし、チームを勝利に導いた。 *** 均衡を破る一打だった。0―0の4回1死三塁。仙台南の5番・辻は高めのスライダーを捉えた。「しっかり一、二塁間を抜こうという意識で振れた」と右前へ先制の適時打。援護をもらった先発・阿部維人(2年)は6回1失点の粘投。松木健林監督は「2年生がよく頑張ってくれた試合だった」とたたえた。 辻は4―5で敗れた名取北との南部地区予選(4月27日)以来のスタメン。地区予選4戦中2試合に代打出場で3打数3安打3打点と仕事を果たした一方、名取北戦では5打席に立ち、2打数無安打に終わった。県大会初戦でのスタメン抜てきに「すごく緊張した」という。 第2打席で先制打に「一本出せてホッとした」。第3打席は1死一塁から「完ぺきに近い当たり」と左中間へ適時二塁打。失策の隙を突いて三塁を陥れて好機を広げるなど活躍した。昨秋は腰椎分離症に悩み、思うように練習ができなかっただけに「絶対に春はベンチ入りしたかった」と冬場の努力の成果を発揮。「今、先輩たちと一緒に野球ができる時間が本当に楽しい」と笑顔で振り返った。 19日の2回戦は石巻と激突。自信をつけた背番号18は「声を出して真摯(しんし)に取り組めばおのずと結果もついてくる。やってきたことをしっかり出したい」とさらなる存在感を示していく。(秋元 萌佳) 〇…仙台は泉館山に8-2。先発したエース・深沢悠真(3年)が2失点完投で試合をつくった。直球とスライダーを軸としながら、緩急もつけた投球で与えた四球はわずか1と「コースにしっかりと投げ切れた」と安定感が光った。冬場は走り込みなどで下半身を鍛えて体重も5キロ増量して68キロとなり、制球力がアップ。県4強の目標に向け「レベルの高いチームにも完投できるように頑張りたい」と意気込んだ。 〇…古川は登米総合産に7-6。7回に5失点で逆転されたが、9回に押し出し四球で同点に追いつくと、最後は6番・柴垣大河右翼手(2年)が右前適時打を放ってサヨナラ勝ち。2球目に空振りでスクイズを失敗していただけに「このままチームを負けさせちゃダメだと全力で打った」と外角へのスライダーを強振。公式戦初のサヨナラ打に「ホッとしました」と笑顔も「次は自分たちでしっかりつないで、突破口を広げて点を奪いたい」と反省も忘れなかった。 ★登米総合産・千葉滉太主将(3年)「(15年に統合後初の県大会出場も惜敗し)練習から皆で1勝を目標にしてきたので本当に悔しい。夏に向けて皆と長く野球ができるチームをつくっていく」
報知新聞社