ノジマ相模原ライズJr~世界一までの道のりと新たな挑戦
徹底した準備で世界一の栄光を掴む
日本の代表として臨むことになった今大会だが、「大会前は優勝というより、まずは1勝という気持ちが強かった」と吉田氏は語る。 今大会はフランスやドイツなどの欧州をはじめ、南米やアジアなど世界各国が参加。ガーナ代表選手には12歳ながら身長180センチを超える選手が複数人いたり、ドイツ代表にはサッカー強豪クラブの下部組織に所属する選手がいたりとスピードなど身体能力は日本の選手より遥かに上回っていた。 前回大会の日本代表は、この身体能力の差に苦戦した。前回大会はブロック禁止のルールが採用されるなど、日本代表にとって不利な条件となったこともあり、日本代表は1勝もできず、予選敗退となってしまった。 今大会は、身体差に負けないためにも、徹底した準備で試合に臨んだ。試合前には対戦相手のパスコースや弱点をビデオで研究し、対戦相手によって守備位置を変更するなど徹底的にプレーに落とし込んだ。その結果、予選ラウンドでは3試合を無失点に抑え、決勝ラウンドに進出。大会が進むにつれて、吉田氏自身も「もしかしたら優勝が狙えるのではないか」と手応えを掴んでいった。 その後も順調に勝ち進み、決勝戦ではメキシコ代表を相手に18対6と差をつけ、見事優勝に輝いた。身体能力では及ばないものの、作戦面や強固なディフェンスなどプレーの質では群を抜いており、勝ち進む度に日本代表への注目度が増していったという。フィジカル面で劣っていても、徹底した準備でプレーの質を高めれば、世界の強豪国にも勝てることを証明して見せた。
ノジマ相模原ライズJrの新たな挑戦
フラッグフットボールは2028年に行われるロサンゼルス五輪の正式種目に決まり、世界的にホットなスポーツになっている。日本でも2020年度から小学校の学習指導要領に盛り込まれるなど、注目を集めつつある。 しかし、体育の指導要領に入ったが、課題も多く、まだまだ認知度が低いのが現状だ。小学生はフラッグフットボールのクラブチームが盛んだが、中学生に進むと、部活動でフラッグフットボールを採用している学校は少ない。そのため、多くのプレイヤーが中学に進むと、一旦フラッグフットボールから離れてしまうという課題があった。 さらには今年度世界一になった小学生の多くがフラッグフットボールの継続を希望していた。そこで、ノジマ相模原ライズは2024年4月から新たに中学生部門のフラッグフットボールチームを創設することを決定。正式にグラウンドを確保し、中学生部門も吉田氏がコーチを務める予定となっている。 フラッグフットボールの普及発展、そして2028年ロサンゼルス五輪に向けて、ノジマ相模原ライズJrの挑戦は今後も続いていく。
(取材協力・写真提供:ノジマ相模原ライズ)