ノジマ相模原ライズJr~世界一までの道のりと新たな挑戦
1プレーの成功を全員で喜べるのが醍醐味
2011年からノジマ相模原ライズJrの指導にあたっている吉田氏は、元々相模原ライズのプレイヤーとして活躍したトップアスリートだ。トップリーグでのプレー経験を持つ吉田氏が中心となって、フットボールの基礎作り、そしてスポーツを通じた人間育成に取り組んでいる。 チームでは多くの指導方針を掲げているが、中でも“諦めない心”の醸成を大切にしている。「最近の子供たちは、すぐに『無理だー』など諦めてしまう傾向がある」と吉田氏は話す。フラッグフットボールは連携が勝敗の鍵を握るチームスポーツとなるため、1人でも途中で投げ出してしまう選手がいると、チームは機能しなくなる。なによりフラッグフットボールは戦略・戦術が重要であり、ワンマンでは上手くいかず、一人ひとり明確な役割があるスポーツだ。途中で投げ出してしまう言動が見られた場合には、吉田氏自身が子供たちと真剣に向き合い、しっかり指導することを心掛けている。 「1つのプレーの成功にフィールドにいる全選手が関わり、全員で成功を喜びあえる。これこそが(フラッグフットボールの)醍醐味だ」と吉田氏は語るように、一人ひとりが最後までプレーを続けることで、全員で成功を喜び合うチーム作りを行った。 こうした指導の下、チームは次第に力を付け、2021年にはNFLフラッグフットボール日本選手権でチャンピオンに輝いた。また、ジュニアチームの発足当時に在籍した選手が社会人となり、ノジマ相模原ライズに入団するという嬉しい出来事もあった。 2022年度の日本選手権は4位に終わったが、多くの下級生が試合に出場していたことから、2023年度は優勝候補にも名前を挙げられていた。しかし、春は関東大会のベスト8で涙を飲んだ。レシーバー(パスを受ける前線の選手)にやや依存してしまったという反省が出たことを踏まえ、チーム全体でのレベルアップを図り、秋の日本選手権では前年の雪辱を果たし優勝。日本代表としてインターナショナルNFLフラッグ・チャンピオンシップへの出場を決めた。