当面は「開示の進捗」が株価の好材料に 東証の「株価向上策の開示企業」リストからみえてきたこと【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
当面は開示の進捗が株価の好材料に、ただ次第に開示した内容の成果が求められるようになろう
東証によると、株価純資産倍率(PBR)が低く時価総額が大きい企業ほど開示が進んでいる一方、PBRが高く時価総額が小さい企業の開示は相対的に進んでいない状況が続いているとのことです。低PBRの前者は、より切迫した状況のため対応を急いだと思われ、後者も今後、開示が進むと考えていますが、目先は開示の有無で、株価に顕著な差が生じるか否かが焦点となります。 トヨタ自動車などの一部大手企業は今回、開示なしとされましたが、東証指定の文言がなかっただけで、実質的に株価を意識した経営を実施しているところもあり、個別に状況を確認する必要があります。一覧表は今後、毎月公表され、当面は開示の進捗が好材料になるとみていますが、時間の経過につれ、開示通りに資本効率が改善したか、成長戦略に沿って事業が展開されているかなど、具体的な成果が求められるようになると思われます。 (2024年1月16日) ※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。また、文中の数字は四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。 ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『当面は「開示の進捗」が株価の好材料に 東証の「株価向上策の開示企業」リストからみえてきたこと【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
【関連記事】
- 当面は「開示の進捗」が株価の好材料に 東証の「株価向上策の開示企業」リストからみえてきたこと【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 実は恐ろしい「日経平均7万円シナリオ」【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
- 株高基調は継続するか?先週の日経平均株価「バブル後最高値」連日更新のワケ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 2024年は「辰年」…実は十二支の中で「最も日経平均株価が上昇しやすい」年【エコノミストが解説】
- 【ドル円相場】共和党大統領なら「ドル安」、民主党大統領なら「ドル高」…米大統領選挙と金融市場の“経験則”(解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト)