「頭を力任せに踏み潰され…」「仲間を無理やり生き埋めに…」ホームレス取材歴20年超の男が明かす、凄惨な殺人事件の「ゾッとする裏側」
現場で耳にした「恐ろしい噂」
その商店街では店を閉めたあとに、ホームレスがダンボールを敷いて寝るのが常態化していた。なぜその通りにホームレスが集中するかといえば、アーケードがあったからだ。 夜半に雨が降っても濡れないのはホームレスにとってはありがたい。多くのホームレスは店がオープンする前に片付けて去るが、中にはゴミを残していったり、粗相をする人もいた。なので、ホームレスに対して不満を持つ店主も少なくなかった。 そして、その商店街でホームレスが襲われる事件が起きた。人通りのある場所で寝ているホームレスが襲われるケースは珍しくはない。ただそのときは、殺人にまで至った。 「頭が踏み割られていたらしいよ。寝ているところを、上から力任せにガンッって踏み潰したんだろうね……。苦しまずに死ねたならいいけど……」 事件について話してくれたのは、近くに住んでいたホームレス。 かなりエグい殺し方だが、あっという間のできごとで、証拠も残っていなかったのかもしれない。犯人は捕まらなかった。しばらくして、世間からは忘れられていった。 しかし話はここでは終わらなかった。変な噂を耳にするようになった。 「ホームレスに暴力を働いたのは地元の半グレの奴ら。でも彼らに依頼したのは、商店街の人たち」 数人から同じ話を耳にした。 にわかには信じがたい話だし、確証もない。ただ『商店街の人たちがホームレスを排除するために半グレの人に仕事を依頼した』という情報は広がっていた。 数年後の秋頃、再び淀川の河川敷を取材したのだが『ホームレスに怖い人はほとんどいないですよ』と言っていた男性のテントはなくなっていた。
ホームレスが仲間を無理やり生き埋めに
ホームレスがいなくなることは全然珍しいことではないので(むしろ同じ人に会えるほうが珍しい)、気にせずに取材を続けた。ホテルに帰って“淀川”を検索すると気になるニュースが出てきた。 「淀川の河川敷で、ホームレス仲間だった50代男性を生き埋めにして殺害し、現金を奪ったとして住所不定の男性二人が逮捕された」 二人の男性は約10年前、もうひとりの男性Sさんと河川敷で生活していたという。当時Sさんは50代、逮捕された二人は30代と40代だった。 Sさんはヘソクリで200万円を持っていた。野宿生活やそれに近い生活をしている人でも虎の子の現金を隠している人は少なくない。以前、大阪のドヤ街・西成の簡易宿泊施設で亡くなった人の部屋から2000万円が見つかったこともある。 二人はSさんが200万円を持っていることを知って、金を奪う目的でSさんを殺害した。ただ自供した男性が、人を殺して手に入れた金は40万円だったという。 記事によると殺害方法は非常に残酷だった。河川敷に穴を掘って、そこに生き埋めにしたのだ。 人を殺す方法はたくさんあるが、生き埋めは最も酷い殺し方のひとつだろう。しかも仲間だった男たちに無理やり生き埋めにされた。犯人の供述通り、河川敷からは男性の骨が発見されたという。 ちなみに犯人の男性は、自転車の窃盗で逮捕された際の取り調べで、殺人を自供した。もう10年も見つからなかった事件だ。いつか大規模な河川敷の工事があったときに、遺体が掘り起こされる可能性はあるが、今日明日にバレる心配はまずなかっただろう。 それなのになぜ自供したのだろうか?